2017年6月21日水曜日

静寂のダンフガン島


シカゴから里帰りしていた、家内の親戚5名。帰国早々に亡くなってしまった、家内の叔父の葬儀も済み、残った4名は、叔父が行きたかったというビーチや、温泉のあるマウンテン・リゾートなど、故人の意思を継ぐという名目で連日の観光三昧。楽しいことを封印してしまうのではなく、フィリピンらしい服喪と言えるかも知れません。

約1ヶ月に及んだネグロス滞在の最後に、隣街のバコロド在住の親戚も参加して、総勢10名がこの週末に私の家に泊まりで遊びに来ました。宿泊客は珍しくない我が家も、一度に10名受け入れというのは初めて。割と急な話だったので、食事の不足分は、近所のレストランで惣菜を買ってきて間に合わせましたが、問題は寝床。


約6畳ほどの広さのゲストルームは、シングルベットが二つだけ。折りたたみ式の簡易ベッドや、いつもは仕舞い込んでいるマットレスなど、総動員になりました。しかもこういう時に限って、朝からメイドのネルジーは、実家で緊急事態発生で急遽帰省。

とは言っても、そこはフィリピンの気安さ。雑魚寝には慣れている人ばかりだし、今回は小さな子供もいません。それに寒さとは無縁のネグロス島。ゴザと枕さえあれば、敷布団もシーツもなくても構いません。そんなわけで、なんとか全員収納しました。




さて、翌日の土曜日は朝5時に出発するとのこと。せっかくなのに、朝ごはんぐらいゆっくり食べて帰ったらいいのに。どうやら、亡くなった叔父の奥さん、家内の叔母のマミー・スモールが突然思い立って、その日に西ネグロスにあるアイランド・リゾートに予約を入れてしまったらしい。昔、家内も行ったことがある場所で、結局私たちも同行することになりました。だから、16人乗りのトヨタ・ハイエースをレンタルしてたのか。

そんなわけで、降って湧いたような旅行。行先のダンフガン島(Danjugan Island)は、シライから車で約4時間の場所から、さらにボートで30分のアイランド・リゾート。フィリピンでは、こういうスタイルが多く、ダイビングで有名なボラカイを始めとして、先日のラカウォンを含め、ネグロスだけでも何箇所もあるそうです。

早朝に出て、8時ごろにはカバンカラン(Kabankalan 人口18万の中核都市。東西のネグロス州を統括する、ネグロス・リージェントの首都)のジョリビーで朝ごはん。そこからさらに1時間少しで、ダンフガン島に渡るボートの船着場に到着しました。



前述のラカウォンは全島が白いビーチだったのとは対照的に、ダンフガンは珊瑚礁に浮かんだ緑の小山と言った風情。なんとなく、瀬戸内海の景色を思い出してしまいました。この島は、まるごと自然保護区に指定されていて、電話線もない。観光客はかなり制限されているようで、宿泊施設は、そんなに大きくもないコテージが4棟だけ。日帰り客を合わせても、1日に入島できるのはせいぜい20〜25名ぐらいでしょう。


そして電力は、クラブハウスの屋根に設置されたソーラーパネル頼り。使える電力はわずかで、エアコンはなし。携帯も圏外でインターネットにアクセスできず。さらには、カラオケもないしディスコもない。道路がないので、車もない。自然を楽しむ以外は、なぁ〜んにもない。フィリピンの観光地でも、こんな場所があったんですね。



こう書くと、サバイバル生活のように聞こえますが、建物は新しくてコテージはなかなか瀟洒な作り。蚊帳を備えた寝室は、絵に描いたような南国リゾート。食事は美味しいし、海はきれい。何よりも良かったのは、1泊2日の滞在中に付いてくれたガイドさんが、親切で明るくて、しかも現役女子大生だったこと。(すっかりオッさん視点でスンマセン)




自然保護区なので、4〜6月のこの時期だけ、大学で海洋学を専攻する学生さんをツアーガイドとして雇っているんだそうです。観光客が立ち入りを禁じられているエリアでは、滞在中にも、大学や研究施設のスタッフが調査活動をしていました。

長くなってしまいましたので、次回の投稿へ続きます。


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