2週間前、家内の親戚たちと一緒に楽しんだリゾート。もう思い出の1ページになりかかっていたはずが、まだ続編がありました。帰宅して数日後、同行した家内の叔母、アンティ(ニックネームが「叔母ちゃん」って…。)から電話があって「私が持って行ったサムソンのiPad知らない? 家に帰ったら、見当たらないのよ」。
ん?サムソンのiPad? そんなもの最初から無いよ、と言ってしまうと、会話が終わってしまいますね。フィリピンでは、この手の言い方はよく聞きます。練り歯磨きは何でもコルゲートだし、中型〜軽トラックは三菱じゃなくても全部キャンター。
昔は日本で、4WDの乗用車を全部ジープと呼んでいたのと同様に、米軍が残していったジープを改造して作った乗り合いバスは、今やベースがどんな種類の車でも、総称がジプニー。食品では、クノール(固形スープの素)なんてのもありますね。つまりアンティの頭の中では、アップル製じゃなくても、タブレット=iPadだったんでしょう。
叔母が持っていたサムソン製のタブレット、シカゴから一時帰国中の家族から貰ったもの。アップルに比べれば安いとは言え、今やサムソンはそこそこの高級ブランド。決して安物というわけではありません。タブレットやスマホの普及率が高いフィリピンでも、サムソン製を持っているのは、中流クラス以上だろうと思います。
そんな高価なものを紛失すれば、日本ならばともかく、ここフィリピンではまず絶対に戻ってきません。それは私が思うだけでなく、当のフィリピン人でも全員がそう考えるでしょう。ところが奇跡が起こりました。昨日、何と家内が、無くなったはずのタブレットを持って職場から帰宅。
事情を聞くと、まずアンティからの電話を受けて、家内が宿泊したリゾートに電話をしたことから始まり、リゾートのスタッフがタブレットを発見して、フロントに届けた。そしてタブレット発見の知らせが家内へ。たまたま仕事で、その島へ行っていた家内の友達が、タブレットを受け取った。さらにその友人が、家内の職場にタブレットを持ってきてくれた。
こんな具合に、驚くべき正直さと親切さの連鎖が何回も続いて成し遂げられた、快挙なのでした。今回は紛失場所が、外界がから隔絶されたような孤島で、そこで働くフタッフが少人数かつ、真面目な人ばかりだったことや、自然保護区に指定されているこの島で、家内の友達である大学生のキム嬢が、月一回のペースで調査をしていたことなど、幸運が重なったこともあります。
これが、普通のホテルとかだったら、まず最初でアウトでしょう。フィリピンではホテルの清掃担当などの人は、そんなにいい暮らしをしているとは考えにくい。忘れ物のタブレットを見つけたら、自分で使うよりも売払っちゃうかも知れません。たとえフロントに届けても、途中で誰かのポケットに消えるのが関の山。
しかも、このタブレットを最後に使っていたのが、どうやら私の息子だったらしい。アンティから借りて、ゲームでもしてたんでしょうね。見つかったのは、ビーチから少し奥まった場所にある、ベンチの上でした。このまま見つからなかったら、私が弁償しなくてはならなかったかも。
いずれにしても、久しぶりに気持ちのいい話でした。
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