2020年11月2日月曜日

選挙はエンターテイメント

 今年は4年に一度のアメリカ大統領の選挙。そして偶然、大阪市を廃止して四つの特別区に再編するかの是非を問う住民投票が重なりました。この投稿を書いている時点で、大統領選は明日11月3日で、大阪の住民投票は昨日11月2日で終了し、結果は「否決」。

関西人を自認する私は、生まれ育ちは兵庫県。大阪市と隣接する尼崎市の出身なので、梅田も難波も子供の頃から行動範囲とは言え、大阪市民にはなったことがなく、大阪府茨木市に14年間住んだことがあるだけ。それでも、今回の住民投票にはかなり注目しておりました。

投票の争点については、敢えてここでは書きませんが、目的がYes / No で分かりやすく、その結果が、住所や地名の表記まで変わってしまうかも知れないという、卑近な部分でもイメージしやすかったこともあってか、私の予測より投票率は高く、62.35%だったそうです。

これを高いと言うと「どこが高いね〜ん?」と突っ込まれそうですけど、最近の国政選挙では、50%に届くかどうかの投票率なので、まぁ悪くない数字。

それに加えて、これは大阪気質というか、関西人的なノリの良さというか、どこかでエンターテイメント的に楽しんでいるような気がしました。賛成派のトップが、良くも悪くも何かと注目される市長の松井さんと、コロナ対応で全国的な人気者になったイケメン知事の吉村さん。

これだけでも、有権者の関心を引くのには十分だった上に、反対派として、私と同じ兵庫県生まれの、れいわ新撰組の山本太郎さんが、分かりやすいパフォーマンスで参戦。そして、奈良県生まれのお笑い芸人「せやろがいおじさん」こと榎森耕助さんが、お得意の沖縄からのユーチューブ配信で、大阪都構想を「旦那一人と離婚して、四人の恋人と付き合うみたいなもの」と解説したり。

極め付けは、投票を呼びかけるポスターや宣伝カーに「とうひょう」に引っ掛けて、豹の写真が使われていたこと。「それやったら、十頭用意せんか〜い」と、思わず3,000キロ離れたフィリピンから、突っ込みを入れてしまいました。

まぁ、今回の投票は、公職選挙法の適用外だったので、変な報道規制がなかったこともあるでしょうけど、フィリピンに8年近くも住んで、身近で3回も選挙のお祭り騒ぎを見てきた私にすれば、これがあるべき投票の姿に見えました。むしろ、まだまだ大人し過ぎるぐらい。

さらに、明日、投票日をむかえるアメリカ。実はこの投稿のために調べてみたら、最近の大統領選の投票率って、60%そこそこだったんですね。日本と違って住民基本台帳みたいなものがないので、選挙の度にいちいち登録が必要だったり、組織票を有利にするために、わざと投票日を火曜日に設定してたりと、阻害要因が多いらしい。

とは言え、選挙をエンターテイメント化することにかけては、アメリカは世界最先端と思いますよ。正直なところ、1回目のトランプさんとバイデンさんのテレビ公開討論って、下手なお笑いバラエティより、ず〜〜〜っと笑えました。

さらに、主要な新聞や放送局が、はっきりとどちらの支持かの旗色を決めて、対立候補をボロクソに報道するのがすごい。今年はちょっと異常で、普通なら中立を保つはずの前大統領や科学者までもが、反トランプを公言している。

フィリピンでは、反トランプ急先鋒のCNNが、ケーブルテレビで普通に視聴可能。もちろん日本語字幕などありませんが、英語に関してはネイティブ並みの、中学生の息子に助けてもらいながら、二人で毎日の「トランプ・ネタ」をゲラゲラ笑いながら楽しんでおります。

その良し悪しは少々微妙ながら、やっぱり選挙への関心を高めて、投票率を上げるためには、小難しい顔して、分かりにくい政策を語るだけじゃなく、エンターテイメントの要素を盛り込むことって、とても大事なんじゃないかと思う今日この頃。

ちなみに、ドゥテルテさんが当選した前回のフィリピン総選挙。投票率は80%を超えていたそうです。


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