2021年1月9日土曜日

今年二度目の大洪水


出典:Rural Areas

 ほんの一週間前、大晦日から元日にかけての大雨で鉄砲水が発生し、一般市民、特に川沿いに住む貧困層の人たちを中心に、床上浸水や家屋流失などの大被害を被ったばかりの、ここネグロス島シライ市。追い討ちを掛けるように、昨日1月8日深夜、またもや洪水となりました。

前回は、シライ市とその両隣のタリサイ、ビクトリアスに集中していた被害が、昨夜はさらに拡大し、カディスやサガイ、エスカランテも含むネグロス島北部のほぼ全域に。シライだけでも住民295人が市民センターに避難し、全体での避難者は、数千人規模になったと思われます。

元日の洪水以来、ずっと欠勤が続いている、我が家のメイド、ライラおばさん。やっと週明けには出て来てくれるかと期待していましたが、連絡も取れなくなって、まだ安否の確認ができません。

シライ出身の家内によると、台風以外で、市街地全部が水浸しになるような水害は、だいたい十年に一度あるそうです。前回が2011年で、前々回が2001年。それならば、向こう十年は大丈夫なはずだったのに、二十年分の洪水が、同じ月に押し寄せてしまいました。

フィリピンの天気予報は、日本と違って、観測点が少ないのか、観測機材が旧式なのか、気圧配置などを使った説明がなくて、とても大雑把。自分でインターネットを見て、雨雲レーダーや気象衛星からの情報を調べた方がまだマシというぐらい。

それにしても、今更ながらに溜息が出るのが、フィリピンの水害対策のお粗末さ。

洪水になる原因は、昔から分かっているのに、少なくともシライ市内で、堤防がある川は皆無だし、排水管の敷設工事も遅々として進まず。大きな道路沿いの側溝も、レジ袋が詰まったまま放置で、大雨じゃなくても水溜りがいっぱいありますからねぇ。

要するに、何度ひどい目に遭っても、市長から一般市民の端々まで、何とかしよう、あるいは何とかできるとは、思わないらしい。事が起こってから、避難先を視察する様子をネットで拡散して「やってる感」を見せるだけが、市長の役目じゃないでしょうに。


避難所となった、昨夜の市民センター
視察するゴレツ市長

私の家があるビレッジ(宅地)では、ちょうど自宅前の道路が、やっぱり排水溝が詰まっていて、何年も前から、ちょっと土砂降りがあると、くるぶしぐらいまで冠水。何度も管理事務所に苦情を入れてるし、月々の管理費はちゃんと支払ってます。

ただ、一応は市内で最も高級なビレッジだし、最近は冠水がやたら多いので、ようやく重い腰を上げて、少し前から側溝の再敷設工事が始まっていたようです。工事といっても、オッちゃんが二人来て、チンタラやってるので、今回の洪水には、全然、間に合いませんでしたけど。

ということで、二週連続での大被害となったシライ市。今度こそはこれに懲りて、根本的な解決策を講じてくれませんかね?


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