2020年6月12日金曜日

感染症の季節


数日前から、本格的な雨季に入ったと思われる、ここネグロス島。

相変わらず季節間のグラデーションなんか、微塵も感じさせない、猛暑から少し肌寒いほどの雨空への極端な変わり方です。エアコンなしでは寝付けなかった日の翌晩に、扇風機どころか、窓を閉めていても風邪を引いてしまいそうな気温。

案の定、家内は体調を崩しで熱っぽいし、私はちょっと喉がイガイガ。

この時期は、日本の梅雨入りとシンクロしているので、雨季の話だけすると、フィリピンも日本と同じだと思われそうですが、実はフィリピンの雨季は、真夏が終わってから到来。日本と真逆なんですよね。

さらに不思議なのは、真夏にはあんまり鳴かないネグロスのセミは、雨季が近づいて日差しが和らいでくると、じわわ〜〜〜んと、どこからともなく鳴き始める。日本のクマゼミなど比べると、サイズが小振りで、ちょうどヒグラシとかニイニイゼミぐらい。

こちらに住んで7年目の私。か細いセミの声を聴いて、ああ夏も終わってしまったと実感している次第。特に今年の夏は、コロナ禍のせいで、バカンスらしいことは何にもできなくて、いつになく感傷的になっております。

さて、雨季になるとヤバいのがデング熱。蚊が媒介するこの感染症は、雨が多く、蚊が大発生するのに比例して患者数も増えます。致死率がずっと高いマラリアに比べるとまだマシとは言え、罹患すると入院は避けられない重篤な症状。

実際、私の身近でも、姪っ子や義妹の家族など、過去何人もの人がデングに苦しめられました。致死率が低いといっても、幼児や高齢者には恐ろしい病気。

現在は、コロナ・ウイルス対策で大騒ぎになっているけれど、デング熱や、相変わらずフィリピン人の死亡原因の上位を占める結核など、フィリピンには、もっと恐るべき感染症はたくさんあります。

さらにヤバいのは、医療機関や関係者がコロナに集中しているので、同じように命の危険がある、他の感染症の治療が覚束ないこと。ほんとに、今、デングに感染したら、昨年までなら助かっていた人が、助からないかも知れない。まったく他人事ではありません。

そんな危ない病気じゃなくても、くしゃみや咳をしてたら、間違いなく市場やスーパーには、入れてもらえないでしょうね。

まぁ雨が降るべき季節に、ちゃんと雨が降ってくれるのは有り難いことながら、ようやく涼しくなったらなったで、今度は別の心配事を背負い込む羽目に陥っております。


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