2020年6月2日火曜日

飼い犬同士の大喧嘩

フィリピン人は、犬が大好き。

それほどのお金持ちではなくても、と言うより、貧乏と言ってもいいぐらいの家でも、まるで自分の子供と一緒に育てるような感覚で多頭飼い。不妊手術なんてする余裕があるはずがないから、どんどん繁殖していきます。

新築や引越しのお祝いで、仔犬をプレゼントしたり、たくさん生まれたから貰ってくださいと頼まれたり。雌犬なんて、ちょっと目を離したらすぐに妊娠しちゃうので、家内など、絶対に雄しか飼わないと宣言してました。

日本ではペットの人気は、猫の方がちょっと上のように感じます。猫なら、無理なく室内で飼えるし、近所迷惑な吠え方もしない。こちらでも飼い猫はいますが、ぱっと見た印象としては、圧倒的に犬好きが多数派。その理由はどうやら好き嫌いからではなく、番犬としての用途。

番犬と言っても、でっかいジャーマンシェパードのような犬種ばかりではありません。もちろん、本格的な豪邸には、見るからにおっかない奴が2〜3頭もいたりしますが、ほとんどは、中型の雑種。侵入者を阻止することはできないけれど、知らない人が近づいたら、吠えまくって警告を発するわけです。

とにかく、空き巣の類いが多いフィリピン。最近では安い監視カメラが出回っているので、中の下ぐらいの家庭でも、こちらではCCTVと呼ばれる小さなカメラが、門扉の上に取り付けられているのを、よく見かけます。

何しろ、玄関先に干してある、かなりボロボロのTシャツでも、盗難のターゲットになってしまうお国柄。洗濯物泥棒というと、女性の下着ぐらいしか考えられない日本と比べると、盗みの目的が切実。私も履き古しのスニーカー、それも中敷を外した状態で盗まれたことがあります。

それを考えると、監視カメラを買えないような家ほど、番犬が必要になるんでしょうね。

前置きが長くなってしまいましたが、こちらの感覚では、完全に「大金持ちの家」と見做されるサイズの我が家。ゴマと名付けた雑種の雄を一頭、飼育しております。目的通り、家の近くものは、未知の人間だけでなく、野良犬であろうが車であろうが、昼夜の関係なく吠える、あまり賢いとは思えないワンさん。隣の空き地で放牧される水牛にまで、挑戦しようとする向こう見ず。


我が家の飼い犬、ゴマ

このゴマが、先週の散歩中、古くなっていた布製の首輪がブっちぎれて、家内の友人宅の飼い犬と大喧嘩になるという事件が起こりました。散歩させていたのは私ではなく、メイドのライラおばさん。ライラが、いつになく激しい口調で、ゴマを叱りつけていると思って外へ出てみたら、ゴマの左前足の付け根辺りから、相当な量の出血が。玄関の周囲には、点々と血の足跡。



相手の犬とは相性が最悪。私が密かに「宿命のライバル」と呼んでいる小型犬。ちっちゃいくせに、すごい闘争心で、いつもゴマが近くと殺気を帯びた鳴き声を上げます。

この日は、たまたま、ライバル君は家の外に繋がれていて、首輪の外れたゴマの方から飛び掛かったらしい。ライバルも少し怪我を負ったけれど、負傷の程度からすると、ゴマのボロ負け。

幸い、見た目ほどの重傷ではなかったみたいで、しばらくは足を引き摺ってましたが、餌は完食。翌日にはすっかり元気になってました。

でも考えてみたら、我が家のある宅地では、ノーリードで散歩させたり、昼間は門の外に放飼いにされている犬が多い。同じ路上で、小学生にもならない子供も遊んでいることを考えると、これはとても危ない話。野犬も多いし。

私が直接見聞きしたことはないけれど、子供が咬まれる事故って多いと思います。しかも狂犬病のリスクもまだまだ減らないフィリピン。そう言えば、以前にゴマが脱走した時、家内が真顔で心配してました。「どこかの子供に怪我をさせたりしたら、どうしよう。」


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