2020年8月14日金曜日

介護移住という選択肢


このブログで、「介護移住」とタイトルに入れたのは初めてではなく、3年前の2017年に、一時帰国した時にも投稿したことがあります。(一時帰国2017 介護移住に向けて

私と家族が、今フィリピンに住んでいるのは、もちろん私の親の介護が目的ではなく、私たちの暮らしやすさの追求が第一義。私は、ストレスが多い上に夏は酷暑で冬は寒い日本から、早期退職して安逸な老後を。家内は、親戚や友達にいつでも会える、住み慣れた故郷へ。

移住当時、小学校一年生だった息子だけは、状況をよく分かっておらず、いくら母親の生まれ育った場所とは言え、もし馴染めなかったらとの心配はありました。しかし、適応力が一番だったのは息子で、今では言葉の問題も解消して、友達もたくさん。

三者三様の感じ方ながら、少なくとも現時点では、フィリピン移住の当初の目的は、ほぼ達成されたと言えるでしょう。

3年前の一時帰国の際、私の両親と二人の弟を交えて、日本の実家で話し合いました。当時、両親は元気そのもの。食欲旺盛で二人でゴルフを楽しんだりしてました。いよいよとなったらフィリピンへと、一応本人たちの意思を確認したものの、まだまだ先の話という感じ。

ところが意外にも、その「いよいよ」は、それほど先でもなかったようで、ここ最近、83歳の母の体調が良くありません。病院で検査しても異常はないけれど、どうにも疲れやすく、日中でも横になっていることが。

状況報告を弟から受けても、世界はコロナ禍で、まったく動きが取れない。そんな中、以前は強気だった母も潮時と思ったらしい。渡航が自由になったらフィリピンに引っ越したいと、弟経由で伝えてきました。

実は、こっちに来るなら、ちゃんと身体が動くうちにと、何度か母に言ってたんですよ。昨年(2019年)に竣工させた、昔の実家の間取りを再現したゲストハウス。コロナ禍前は、短期英語留学の生徒さんたちに、有料で使っていただいてましたけど、本来は、両親を住まわせるため。受け入れの準備は、もうとっくに完了してます。

さて、フィリピンでの介護を考えると、日本人がまず危惧するのが、現地の医療レベル。要介護者じゃなくても、生死に関わる持病を抱えた中高年の方は、まず移住を諦めた方がいいぐらい。

ただそれは、これから何年、何十年と生きるつもりの人の場合。私の両親は、別に早く死にたいわけではないけれど、二人とも、80代の半ばを迎える後期高齢者。息子の世話になって、短い余生を静かに過ごせたら満足。無理やりの延命措置なんて必要ないというのが、正直なところでしょう。

そう考えると、体温を超えるような暑さも、冬の寒さもないネグロス島。二人専用2LDKの一戸建ては用意したし、母が望むなら家事はメイドさん任せ。なんなら住み込みの看護師さんを雇うこともできる。今、夫婦で貰ってる年金の半額以下で、この生活すべてが賄える計算。

何より大きいのは、年老いた親の面倒を自宅で看るのは、当たり前だと思う、家内を含めたフィリピン人のメンタリティ。私もいずれは、その国民性のお世話になるかも。

唯一、計算できないのは、新型コロナウイルスの影響が無くなるまで、母にフィリピンへのフライトに耐えられる体力が、残っているかどうか。ちょっとタイミングが悪かった。

ということで、日本の高齢者、誰にでも勧められるわけではありませんが、将来、親の介護に関して不安を感じている人は、一つの選択肢として、フィリピンへの介護移住を視野に入れてみてはいかがでしょうか。


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