気がつくともうクリスマスイブです。ついこのあいだ12月になったところだと思ってました。熱帯のフィリピンでも、例年この時期は雨が多くなって、日本の年末の寒さには程遠いとは言え扇風機も不要。時には長袖のシャツを羽織りたくなる日もあるのですが、今年はエルニーニョの影響なのか、連日照って30度越え。
しかし待降節も3回目の日曜日が過ぎた12月中旬以降、立て続けの台風もあって急に涼しくなってきました。今朝も昨夜からやや強めの雨で、裏庭には「インスタント池」が。相変わらず極端な天気ですね。
日本人の感覚ではちっともクリスマスっぽくないので、せめて映画でも見て気分を盛り上げようと、昨夜は家族で「天地創造」を鑑賞。ハリウッドで歴史スペクタクルの大作が華やかなりし頃の1966年製作。この映画の原題は「The Bible, in the beginning」そのものズバリの「聖書」。舞台は旧約聖書の冒頭、創世記。神による7日間の天地創造から、アダムとイブのエデン追放、ノアの箱船、バベルの塔、ソドムとゴモラ、アブラハムの物語まで、逃げも捻りもなしに真正面から映像化してます。看板に偽りなしとは、まさにこのこと。
どのエピソードでもお金の掛け方が半端ではない。今だったら全編CGオンパレードになりそうですが、バベルの塔もノアの箱船も原寸大のセットを作って撮影したそうです。箱船に乗せる象も虎もライオンも駝鳥もキリンも...全部生きている本物。これはすごい。日本では同時期の「ベン・ハー」や「十戒」に比べるとやや知名度が低いのは不思議なほどです。
夕食後の8時に見始めて、終わったのは深夜11時。家内は途中で沈没してしまいましたが、ミッションスクールの小学校で聖書のことは詳しく習っているせいか、10歳の息子は最後まで起きてました。メイドのアミーも途中で飽きるかと思いきや、意外なほどの集中力。さすが、ほぼ全員が幼いときから聖書に親しむフィリピン。特にノアの洪水は笑ったり歓声を上げたり。久しぶりに観てみると、映画の中のノアはちょっとコミカルで憎めない好人物でした。
聖書の描写では、さらりと終わってしまう物語も、激しい豪雨に怯えるノアの家族や、不妊に悩み子孫を残すために、止む無く侍女を夫アブラハムに与える妻サラの苦悩、ようやく授かった一人息子のイサクを、神への生贄に捧げるよう命じられた父の絶望の叫び...。映像化すると、そりゃそうなるだろうという場面ですが、やっぱり胸に迫るものがありますね。特にかなり遅めに生まれた息子と一緒に観てると、今までにない感情移入をしてしまいました。
日本人作曲家の黛敏朗さんによる音楽も素晴らしい
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