フィリピーナ。「フィリピン女性」を意味し、本来は、それ以上でも以下でもない言葉。ところが、日本でフィリピーナというと、フィリピンパブに勤めるホステスやダンサーを連想してしまう人が多い。さらに、フィリピーナは陽気で騒がしいとか、エキゾチックな顔立ちの美人だとか、お金や時間に対してルーズだとか...。
このステレオタイプは、1970年代後半から80年代のバブル時代、フィリピンから大挙して押しかけてきた若い出稼ぎ女性、通称「じゃぱゆき」さんによって作られました。さらに、今では古典となった、久田恵さんの「フィリッピーナを愛した男たち」や、山谷哲夫さんの「じゃぱゆきさん <女たちのアジア>」などの著作によって、完全に定着した感があります。
その後、急増したフィリピーナと日本人男性の結婚。1990年代以降は、「日本人夫」が、自らの日比国際結婚の経験を綴った書籍も、多く出版されました。今藤元さんの「奥さまはフィリピーナ」は、その中でも出色の出来。概ねフィリピーナは愛すべき存在という、通奏低音はベースになっているものの、やはり彼女らの金銭や人間関係の感覚は、日本人の常識から乖離している、との印象は避けられない。
ここで断っておきますが、私は、フィリピンパブやカラオケバーで知り合ったフィリピン女性との結婚を、見下したり否定したりする意図はまったくありません。私自身もかつては、そのような女性と恋愛関係にあったこともあるし、幸せな結婚をして、子供たちと平和に暮らしている人たちの人生を、微笑ましいと思いこそすれ、ケチをつける気など皆無。
ただ、特定の職種の女性のみに焦点を当てて、その特徴が全フィリピン女性に当てはまるというのは、かなり違うんじゃないかと思うのです。水商売に従事する人は、フィリピンの場合は、所得の低い層の出身者がほとんど。自ずと高等教育を受けるチャンスに恵まれなかった人も多い。
当たり前の話ですが、フィリピンには水商売以外にも、多くの職業があります。特に日本よりずっと、いろんな分野で働く女性の比率が高い国。私が個人的に知っている女性だけでも、大学教授、貿易を営む実業家、金融業の経営者、大手銀行の支店長、百貨店の売り場主任などなど...。
この人たちにほぼ共通して言えるのは、時間はきちん守るし、約束に遅れそうな時は連絡してくる。お金にはシビアで、間違えても「お金借して」とは言いそうにない。毎週日曜日には、教会に通うクリスチャンで、美人でも露出度の高い服を着ているのは、見た事がない。そして、職業に対する責任感は強い。
要するに、日本人でもかなり真面目な部類に属するタイプ。でも、お堅い雰囲気はあまりなくて、パーティやカラオケは大好きで、よく笑う陽気な人たち。我が家のメイドさん、ネルジーも、真面目さ加減とよく笑うことにおいては、同じグループ。
とまぁ、長々と前振りを書きましたが、私の家内は、フィリピン女性であることは間違いないけれど、日本で流布されたフィリピーナという言葉のイメージからは、遠く離れているということが言いたかったのです。
実はこのブログでは、この家内との馴れ初めや、彼女の来歴をあまり詳しくは書いてきませんでした。ところが最近、このブログの読者の方から「一体どうやって奥さまと知り合ったのか、ぜひ書いてほしい」と直接ご要望をいただきました。ということで、次回から10回シリーズで、家内のことにスポットを当てていこうと思います。
フィリピン関連の蔵書
一時期、よく読みましたね
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