2017年3月11日土曜日

あれもフィリピン、これもフィリピン



少し前に、自宅から自転車で5分ほどの距離にある、サトウキビ畑の中の一本道で撮影した写真。360度周囲が見渡せる場所で、条件が良ければ夕焼けがとても綺麗に見えて、日暮れ時に写真を撮りに来る場所。


赤道に近いフィリピンでは、年中日没の時間があまり変わらず、ちょうど日が沈む頃には、畑仕事を終えた農家や、農作業用の水牛を飼う人たちが帰路に。夕焼け撮影中には、時々すれ違います。この日はたまたま、家族が牛の引く台車に乗っていました。

撮った自分で言うのも変ですが、ほのぼのとしたいい雰囲気。この家族、特にお父さんと思われる牛に背中に座るオジさんは、きっとストレスの少ない暮らしをしてるんでしょうね。時間の流れまでゆったりしてそうです。

この写真だけを見ると、ネグロス島ってのどかで平和なんだろうと思うかも知れません。もちろん、郊外や山間部に行けばその通り。だからと言って、全島民がこんな生活しているわけではない。車で15分も走れば、巨大ショッピングモールはあるし、高層マンションも建っている。最近ではユニクロもオープンしました。


「貧困」という切り口でフィリピンを語る場合も同様。どん底の貧乏に苦しむ人たちが多いのは事実。しかし実際に生活してみると、貧乏人でもなく大金持ちでもない、電気も水道もある家に住み、冷蔵庫も液晶テレビもあり、子供はちゃんと学校に通わせている中流階級をたくさん見かけます。スーパーへ買い物に出かけたら、むしろそんな人ばかりの印象。


考えてみると、フィリピンも日本も人口1億以上で、面積も約30万平方キロと38万平方キロ。共に多くの島から成る島嶼国家。さすがに熱帯に位置するフィリピンは、日本ほど気候のバリエーションはないけれど、場所によって文化も、言語すらも異なる。当然、いろんな側面を併せ持つ多面体。民族的には、マレー・中国・インドなどのルーツが色濃く残っているので、ある意味日本よりもずっと多様性があると言えます。

そういうわけで、このブログで繰り返し書いているように、どうかフィリピンだから、フィリピン人だからと決めつけないでほしい。特に最近の日本語のネット内では、言葉尻を捉えて、すぐに右だとか左だとか、反日だとか在日だとか、無茶苦茶な理屈でレッテル貼って、罵詈雑言を投げつけるケースが散見されます。

また、なぜかフィリピンについての記事は、両極端に振れてしまうものが多い。定年退職すれば、南国フィリピンで極楽暮らし、なんて言うかと思えば、どこもかしこも犯罪と貧困ばかりで、地獄のような場所と言ったり。

人間も物事も、それほど単純ではありません。スマホやパソコンだけを通じて世の中を見ていると、物の見方が単純になってくるのか? 別に海外に移住までしろとは言いませんが、もっといろんな場所に行って、経験を積んだ方がいいと思うんですけどね。特に若い日本人は。


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