2017年3月15日水曜日

食事はトロトロ

フィリピンで安く食事をしようと思えば、忘れてはならないのがトロトロ。よく煮込んだおいしそうなシチューか何かの名前みたいですね。これは特定の献立でのことではなくて、飲食店スタイルの総称。

フィリピンの街角で時々見かけるのが、普通の住宅街の道端にテーブルを出して、カセットコンロにかけた鍋を並べているオバちゃんの姿。これは緊急の炊き出しで食事を配給...ではなく、立派な飲食店。これがトロトロ。近所に住んでる人が、自前の食器持参で昼ごはんのおかずを買いに来る。手ぶらで来たお客さんには、ビニール袋に入れてお持ち帰り。2〜300円もあれば、家族数人での1回の食事には十分な量のおかずが購入できます。

あまり深く追求したことはありませんが、営業許可の類はあるんでしょうか? どう見ても衛生的には、かなり問題ありそうなところも。屋台だったり、本当に路地裏の自宅前とかで商売している人も多い。

もう少しレベルが上がると、ちゃんと建屋のあるレストランで、お昼前後だけトロトロスタイルで営業をしている場所もあります。私たち家族が時々利用しているのが、シライ市内にある、昼だけトロトロのサー&マム・レストラン。略称サー・マム。こちらは間違いなく営業許可は取得済み。

店に入ってまず目につくのは、ずらりと並んだ大鍋。これだけ見るとビュッフェみたい。でもセルフサービスではなく、お店の人にお願いして取り分けてもらいます。お皿に盛って、その場で食べることもできるし、ビニール袋に詰めてテイクアウトも可。




このお店、レストランとしてはもう老舗に近くて、私が生まれた1962年の創業。オーナーの娘さんと家内が、市内の学校の同級生だったそうです。自宅建設中の3年前は、ほぼ毎日お昼はここでおかずを購入。自宅が完成して、私が料理担当主夫になってからは、ちょっと縁遠くなり、久しぶりに行くと「最近来ないわね〜、どうしてたの?」と訊かれてしまいました。



サー・マムのトロトロは、さすがに道端の店に比べると多少は高い。とは言っても、家族三人ならば1000円も出せば十分満腹でお釣りが来ます。お勧めのメニューは、レッチョン・カワリ(豚の丸焼きを一口サイズにカットしたもの)や、肉と野菜をトマトソースで煮込んだメヌード、鶏の串焼き、焼き魚など。豚の血のシチュー、ディヌグアンなんてのもあります。

昨年の後半あたりから、あんまり自炊にこだわるのも面倒になり、土日のお昼などは、再び利用するようになりました。典型的なフィリピン庶民の味ということで、日本からのお客さんをお連れしたりも。フィリピン料理は、肉主体の脂っこいものばかりと思い込んでいる人もいますが、サー・マムのトロトロを見ている限り、決してそんなことはない。

だたちょっと気になるのは、すぐ近くに建設中の大型ショッピングのガイサノ。あの規模ならば、当然レストラン街は併設するだろうし、そうなるとジョリビーやチョウキン(Chowking)などフィリピンで人気のファーストフード店も入るでしょう。一概にファーストフードが悪いとは言わないし、たまに食べるのもいいけれど、その影響で昔からあるシライの飲食店が潰れたりするのは困りますね。


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