2018年7月13日金曜日

建てるよりメンテナンス


この先何十年かは、労働人口がどんどん減少していく日本。あちこちから指摘されているように、年金の財源は先細りの一方で、高齢者は増えていく。大幅に規制を緩和して、単純労働者を含む移民を大規模に認めるなど、思い切った政策を打たない限り、事態の改善は望めない。

今私がもし、20〜30代だったら、非正規雇用などの低賃金と、下手すれば自殺のストレスに耐えるより、海外に活路を見出すことでしょう。国内に住民票がなくなれば、税金や年金、健康保険も、支払い義務は消滅するので、若年の海外移住者が増えれば、いよいよ日本はジリ貧。私を含む、多く高齢者は、さらに厳しい生活を強いられるのは間違いありません。

やたら深刻な書き出しになって恐縮ながら、そうなると目減りした年金の受け取り金額でも、ある程度余裕のある暮らしを、と考えたら、やはり相対的に物価の安い外国へ、というのも有力な選択肢の一つ。もちろん誰でもできる事ではないけれど、潜在的な移住希望者はかなりの数でしょう。

フィリピンの場合、マニラ首都圏では日本並みに諸費高騰ながら、地方都市ならまだ望みがある。つまり我田引水、現在の私のネグロス暮らしのこと。

50〜60代で移住して、まず考えるのは自宅の新築。コンドミニアム(マンション)で十分な人もいますが、日本人でこの世代なら、一戸建て持ち家願望は大きいもの。何しろネグロスならば、場所によっては土地代も含めて1千万円もあれば、相当な家のオーナーになることも夢ではありません。

因みに我が家は、15年前に約200万円で600平米の宅地を購入。4年前に約800万円で2階建て、総床面積200平米の自宅を新築しました。今はもっと高くなっているにしても、日本に比べれば、まだまだ格安。

そこまでは容易に想像できる。問題は、その後30年も40年も続く家のメンテナンス。建設時に、水周りや配線関係を注意深く見ていても、やっぱり2〜3年もすれば、何かと不具合が出てくるフィリピンの住宅。住んでみて、やっぱりこうしたいという、ちょっとしたリノベ要望も出てくるでしょう。

我が家の場合、軽度の水漏れは年に1回ぐらいあるし、大きいところでは、完全オープンだった2階ベランダが、階下への雨漏りがひどくなって、竣工の翌年、広さ20畳ぐらいの大屋根を敷設。また、最初に設置した既製品のシャワーブースが粗悪品で、1階のトイレ・浴室のプチ・リノベなどなど。平均すると、1年に10〜20万円程度の改修費用は見込んでおくのは必須。(それでも日本に比べれば安い)

そして何よりも大事なのは、頼りになる大工さんや、電気・配管工の確保。フィリピンで、仕事ができて金銭的にも信頼できる職人さんって、本当に貴重な存在。安いからと頼んだ電気屋が、工事のライセンスがないモグリ業者で、雑な仕事の挙句に漏電して火事、なんてことが起きてしまう国。材料費を先払いしたら持ち逃げしたり、建材屋とグルになって割り増し請求という話も聞きます。

幸運にして我が家の場合、市役所で建築関連の仕事をしている義弟から、とても真面目な大工さんたちを紹介してもらいました。今でも大工のアントニオ、電気工のサルディたちとは、付き合いが継続。リノベをしたいけど、身近にロクな大工がいないと困っている、隣街在住の日本人の友人に、彼らを紹介したり。

というわけで、日本脱出の機会を虎視眈々と狙っている、潜在的フィリピン移住希望者の皆さま。めでたく移住が叶って、現地で念願の自宅新築の際には、半年やそこらは掛かっても、メンテナンスのことも考慮して、末長く信頼できる大工・電気工・配管工を探すことから始めましょう。


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