2018年7月18日水曜日

ブログで学ぶイロンゴ語「月と曜日はスペイン語」


先週予告した、フィリピン・西ネグロスの方言イロンゴ語の学習。第一回目は、イロンゴでの月や曜日などの表現についてです。

約400年前、スペインに占領された時に入ってきた週の概念は、今でもスペイン語そのまんま。これはイロンゴだけでなく、公用語のフィリピノ語(タガログ)と完全に共通。

週 Semana セマナ

月曜 Lunes ルネス
火曜 Martes マルテス
水曜 Miyrkules ミェルクレス
木曜 Huwebes フウェベス
金曜 Biyernes ビェルネス
土曜 Sabado サバド
日曜 Domingo ドミンゴ

綴りはスペイン語と微妙に違ってたりしても、ローマ字表記っぽいので、かえって日本人には読みやすい。書いてある通りに読めば間違いなし。まぁ日本語の日月火...も、中国経由とは言え、その元をただせば同様の月や太陽、惑星の名前から由来。関連さえ知っていれば比較的容易に覚えられます。

月=ルナ、火星=マース、水星=マーキュリー、木星=ジュピター(スペイン語では「J」の発音は「F」音になる)、金星=ビーナス、土星=サターン、日曜だけは太陽のサン/ソルではなく、ラテン語で安息日を表すドミニカが語源。

因みに、フィリピンでのカレンダーは、週の最初が日曜が一般的。これはスペインではなくアメリカに倣ったんでしょう。月曜始まりのものに慣れていると、最初は戸惑うかも知れません。

月(Moonじゃなくて1年を12に分割するMonth)は、ネグロスで元から使っていた言葉  Bulan ブラン。しかし各月の名称となると、やっぱりスペイン起源。

1月 Enero エネロ
2月 Pebrero ペブレロ
3月 Marso マルソ
4月 Abril アブリレ
5月 Mayo マヨ
6月 Hunyo フニョ
7月 Hulyo フリョ
8月 Agosto アゴスト
9月 Setyembure セティエンブレ
10月 Oktubre オクトゥブレ
11月 Nobyembre ノビェンブレ
12月 Disyembre ディシェンブレ

英語に似ているので、こちらもそんなに難しくはないでしょう。

ついでに年・日時表記。

年 Tuig トゥィッグ
日 Adraw アドラウ
時間 Oras オーラス
分 Minutos ミヌトス
秒 Segundo セグンド

時間以降の細かい区分はスペイン語由来。400年前には、年と日だけで十分な生活をしてたんでしょうか。口の悪い人にかかると、時間を守れないフィリピン人は、今でもそうだと言われそうですが。

日を重ねて日々、Adraw adraw アドラウ・アドラウとすれば「毎日」の意。これはタガログのAraw araw とほぼ同じ単語と用法。フィリピンは言葉を繰り返す言い方が多いですね。

「何時?」と訊くには、Ano oras? アノ・オーラス?と言えば通じます。

という具合に、ちょっと齧っただけでも、イロンゴへのスペインの影響が、いかに大きいかを実感。でも考えてみれば、現代日本語の外国語への依存度合いの方が、それ以上とも言えます。やまと言葉だけでは、ちょっとした会話も文章も成り立たないぐらい、漢字やカタカナ英語の使用は骨がらみ。

本家の英語にしたところで、実はフランス語からの借用が約1万語もある。若い者は正しい自国語を喋れず、外来語を混ぜて伝統を壊している、なんて世界中どこでも、年寄りの愚痴は大昔からありますが、これは実にナンセンスな話。

フィリピンでも日本でも言葉は生き物。好むと好まざるに関わらず、変わっていくものなんでしょうね。


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