その昔、1963年(昭和38年)から1975年(昭和50年)の12年間、大阪の毎日放送で制作・放送されていたゲーム形式の買い物番組「がっちり買いまショウ」。上方漫才の至宝と呼ばれた、今は亡き夢路いとしさん、喜味こいしさんが司会を務めました。
私が生まれた翌年から、中学生になるまで続いた長寿番組。日曜日の午後は「がっちり買いまショウ」を見るのが、我が家では、当たり前の習慣。今でも「5万円、7万円、10万円、運命の分かれ道」という、いとし師匠の掛け声は耳に残っています。
この番組は毎回3組のペア(基本は夫婦)が、百貨店のようにスタジオに並べられた商品を、決められた金額で購入するというスタイル。もちろん値札はついておらず、メモを片手に(その後、電卓に)値段を推測しながらのお買い物。見事、設定金額幅に収まれば、選んだ商品はプレゼント。安過ぎても高過ぎても、失格で全部没収。
今にして思えば、実に単純なしくみの番組ながら、当時、絶好調だった日本経済を象徴するような内容。見ている側も収入が右肩上がりで、物欲の塊状態。干支一回り続いたのも、分かる気がします。そしてオイルショック(1973〜)による不況と時期を合わせるように、終了となりました。
若い人には全然ピンとこない、半世紀前の番組について延々と説明したのは、一昨日、建設中のゲストハウスに使う建材の購入が、まるで「がっちり買いまショウ」みたいに感じたから。
私たち夫婦が口座を持っているメトロバンクは、カード1枚につき1日に下ろせるキャッシュが3万ペソまで。二人合わせて6万ペソになります。それに加えて、カードで支払えるのは1日に5万ペソが限度。前日に現金を用意しておいても、11万ペソがマックスということに。
銀行窓口で、何十万ペソも引き出しておく方法はあるものの、そこまでの現金を持ち歩くのは、少々恐ろしいフィリピン。
そして、その日は平日。家内が年休を取って息子は学校。久しぶりに夫婦二人だけでお買い物。州都バコロドにある、大手建材店シティー・ハードウェアの店内を、フロアマネージャーと思しきオジさんを従えて商品選び。番組と違って時間制限はないけれど、決まった金額内で、それなりの品質で建材を選ぶのは、なかなかスリリング。
もちろん今までに、似たような状況は何度もありましたが、メインの目的がキッチン・キャビネットに天板。まるで新婚カップルが、新居用に家具調度を選ぶような雰囲気だったので「がっちり買いまショウ」を思い出した次第。
いつもなら、値段以外は私にお任せの家内も、それなりのこだわりを持つ厨房周りとなると、品定めも厳しめ。(移住してからは、8割方、私が料理担当なんですけど)本当は、5年前に母屋を建てた時に買ったキャビネットと、同じリアルウッドを使った商品にしたかったところ、残念ながら在庫がない。
結局、ダークなオーク調の樹脂製に決定。天板は石材をカットしたもの。それを職人さんに頼んで、流し部分だけをくり抜いてもらうことにしました。ここまでで軽く1時間が経過して、お買い上げ額は7,7000ペソ(約156,000円)。
そして、巾木(壁面の一番下に取り付ける、細長い板)と照明器具を家一軒分、一括購入。こちらは量の割にそれほど高くもなく、送料600ペソ込みでの総額が、95,531ペソ(約20万円)。
なんとか10万ペソ以下に抑えて、支払い完了。本当に「がっちり買った」気分で、建材屋さんを後にしました。
8/16〜8/22の出費
キッチン周り:7,7062ペソ
巾木、照明器具など:18,469ペソ
ステップ・タイル:5,320ペソ
セメント20袋:4,430ペソ
給・排水用パイプ、配管関係:9,033ペソ
グラインダー(工具)一式:2,320ペソ
土砂・コンクリートブロック:5,000ペソ
塗料:8,410ペソ
釘など:962ペソ
大工さん給料:19,712ペソ
計:150,718ペソ
本日までの合計:1,377,346ペソ
0 件のコメント:
コメントを投稿