「モスラ」は1961年(昭和36年)に公開された作品。「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」「空の大怪獣ラドン」「地球防衛軍」「大怪獣バラン」など、昭和29年から30年代にかけて、東宝では巨大な怪獣やロボット、宇宙人など、特撮映画の黄金時代。
ただ現在と違い、SFをや特撮が一般に認知されておらず、女性が劇場に足を運ぶような感じではなかったようです。そこで当時の東宝プロデューサー、森岩雄さんが、女性が観られる怪獣映画を作ろうと提案。可愛い美女を出すことになりました。
そこからいきなり脚本ではなく、小説家、中村真一郎氏に原作を依頼。公開に先駆けて「週刊朝日」に「発光妖精とモスラ」のタイトルで連載。小美人は「妖精」だったんですね。架空の島「インファント」は、南太平洋にあるとされ、そこでは住民の守護神モスラと、その巫女で身長30センチの双子美女が住むという設定。
この小美人を演じたのが、一卵性双生児の女性デュオ「ザ・ピーナッツ」こと、伊藤エミさんとユミさん。怪獣の巫女役と書くと、かなりキワモノっぽいですが、現在50〜60代以上の人なら、ザ・ピーナツ=小美人のイメージが定着してると思います。特に二人が劇中で歌った「モスラの歌」は、あまりにも有名。
この曲の歌詞は日本語ではなく、どこの国とも知れぬ言葉。私はつい最近まで、映画関係者が作り出した創作言語だと思い込んでました。ところがこれ、インドネシア語だったんですよ。(残念ながらタガログ語ではない)
モスラヤ モスラ
ドゥンガン カサクヤン
インドゥムゥ
ルスト ウィラードァ
ハンバ ハンバムヤン
ランダバン ウンラダン
トゥンジュカンラー
カサクヤーンム
モスラよ、モスラ
命の魔力で
卑しき汝が僕は
呪文と共に踊らん
願わくば、その身を起こし
魔力を我らに現さん
と、前振りはこのぐらいにして、小美人のイラスト。
インファント島は、実はフィリピン近海にあると勝手に設定を変更し、演じる二人もフィリピーナだったら...、という妄想を絵にしてみました。ザ・ピーナッツは、どちらかと言うと可憐な妖精。でも私のイメージでは、情熱的なラテンの血を引く、ナイスボディの美女。小美人じゃなくて大美人になってしまった。
でも、頭に輪っかをかぶせて、大輪の真っ赤なハイビスカスを添えれば、なんとなくそれっぽくなるから不思議。ちょっとリンリン・ランラン(1970年代に日本で活躍した、香港出身の双子デュオ)を思い出しながらの描画。若い人には、何のこっちゃ分からんでしょうね。
過去の「私的フィリピン美女図鑑」は、こちら。
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