2018年11月15日木曜日

ネグロス昆虫記

今を去ること40年以上前、私は虫採り少年でした。ただ採って虫かごに放り込んで飼い殺しではなく、かなりマメに標本まで作ったり。住んでいたのが、1960〜70年代の尼崎だと言うと、あんな工場から排出される煤煙と汚水まみれな街で、虫なんていたのか?と思われそう。

ところが同じ尼崎でも、北部の阪急沿線は、まだまだ住宅地でも田圃や雑木林が点在し、空き地もいっぱい残ってました。カブトムシなど、当時でも子供に人気だった昆虫はいなくても、トンボにチョウ、セミ、バッタ、コガネムシなどなど、子供が補虫網を持って走り回るだけの種類も量も、ちゃんといたんですよ。

タイコウチやゲンゴロウといった、水棲昆虫もいたぐらいなので、きれいな池や小川もありました。虫じゃないけど、ざる一杯にオタマジャクシを捕まえて、自宅の水槽で飼ったことも。ほとんど全部アマガエルになって、放した裏の田圃で、ゲロゲロ鳴いてたのを思い出します。

夏休みになると、母方の祖父の田舎、長野県中野に大遠征。りんご農園を経営する大叔父の、当時はまだ茅ぶきだった家に泊めてもらい、それこそ朝から晩まで昆虫採集三昧。忘れもしない、大物のカラスアゲハやノコギリクワガタをゲット。

そんな素養(?)があるせいか、フィリピン・ネグロス島に移り住んでも、何かと気になるのが虫たち。もちろん虫採りは中学生ぐらいには卒業。だいたい、こっちで、補虫網や虫かごで売ってるの見たことがないし、子供が虫を採ってる姿も皆無。

大人でもセミを知らないのには驚きました。ネグロスにもセミはいるし、鳴き声は日本のものと違っても、ちゃんと鳴いるのに。

そんな具合に、人間が無関心なので、虫の方も警戒心が薄いらしく、夜間などよく我が家のベランダに飛んできたりします。熱帯なので、見たこともない珍しい種類が多いのかと思いきや、意外にも、昔見たものとよく似ている。

カナブン、トンボ、カミキリにカマキリ。昼間にはモンシロチョウそっくりなのが、庭先に舞っていたり。2年前に投稿したように、セミが網戸に止まってることもある。たまに家の中に侵入して、家内が大騒ぎすることも。




実は、ネグロス島って、日本の収集家にとっては、クワガタの産地として知られてたんですね。ネット検索したら、最初にヒットしたのが、インターメディアツヤクワガタという、ものものしい名前のクワガタ。何と日本にも輸出されて、アマゾンで売ってるらしい。(現在は在庫切れ)


出典:Amazon.co.jp

これは長野県どころではない、虫採り少年にとっては夢の楽園。平地でこれだから、山間部へ行けば、もっとすごいでしょう。昔の自分を連れて来たいぐらい。

それにしても、私がカラスアゲハに目を輝かせていた時と、同じぐらいの年齢の息子。ヤツは昆虫に興味を持つどころが、外でさえ遊びません。無理強いするつもりはありませんが、何とも勿体無いことです。


0 件のコメント:

コメントを投稿