ところが同じ尼崎でも、北部の阪急沿線は、まだまだ住宅地でも田圃や雑木林が点在し、空き地もいっぱい残ってました。カブトムシなど、当時でも子供に人気だった昆虫はいなくても、トンボにチョウ、セミ、バッタ、コガネムシなどなど、子供が補虫網を持って走り回るだけの種類も量も、ちゃんといたんですよ。
タイコウチやゲンゴロウといった、水棲昆虫もいたぐらいなので、きれいな池や小川もありました。虫じゃないけど、ざる一杯にオタマジャクシを捕まえて、自宅の水槽で飼ったことも。ほとんど全部アマガエルになって、放した裏の田圃で、ゲロゲロ鳴いてたのを思い出します。
夏休みになると、母方の祖父の田舎、長野県中野に大遠征。りんご農園を経営する大叔父の、当時はまだ茅ぶきだった家に泊めてもらい、それこそ朝から晩まで昆虫採集三昧。忘れもしない、大物のカラスアゲハやノコギリクワガタをゲット。
そんな素養(?)があるせいか、フィリピン・ネグロス島に移り住んでも、何かと気になるのが虫たち。もちろん虫採りは中学生ぐらいには卒業。だいたい、こっちで、補虫網や虫かごで売ってるの見たことがないし、子供が虫を採ってる姿も皆無。
大人でもセミを知らないのには驚きました。ネグロスにもセミはいるし、鳴き声は日本のものと違っても、ちゃんと鳴いるのに。
そんな具合に、人間が無関心なので、虫の方も警戒心が薄いらしく、夜間などよく我が家のベランダに飛んできたりします。熱帯なので、見たこともない珍しい種類が多いのかと思いきや、意外にも、昔見たものとよく似ている。
カナブン、トンボ、カミキリにカマキリ。昼間にはモンシロチョウそっくりなのが、庭先に舞っていたり。2年前に投稿したように、セミが網戸に止まってることもある。たまに家の中に侵入して、家内が大騒ぎすることも。
出典:Amazon.co.jp
これは長野県どころではない、虫採り少年にとっては夢の楽園。平地でこれだから、山間部へ行けば、もっとすごいでしょう。昔の自分を連れて来たいぐらい。
それにしても、私がカラスアゲハに目を輝かせていた時と、同じぐらいの年齢の息子。ヤツは昆虫に興味を持つどころが、外でさえ遊びません。無理強いするつもりはありませんが、何とも勿体無いことです。
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