2018年11月27日火曜日

ボラれ自慢


先週末に投稿した「マッサージ代の追加請求」。何人かの方から反響があって、「私も何百ペソ取られた」「私は何千ペソ払わされた」みたいな経験談が多かった。これって、病院の待合室で爺さん同士、自分の病状がいかに悪いかを披瀝しているみたい。ちょっとしたボラれ自慢。

中には、フィリピンあるあるとの指摘もありました。まぁ金額の多寡で言えば、たった150ペソだし、脅されて身の危険を感じたわけでもない。フィリピン在住の方から、よくあることだと言われるのも分かる。

私にしたって、もっと悪質な、タカり同然の要求には、何度か出くわしたことはあります。でも、今回の呆れポイントは、セコくて理不尽な追加請求そのものより、お互いの素性が分かっている状況だったこと。

マニラみたいな大都会なら、たまたま乗ったタクシーだとか、偶然利用した商業施設で、当事者と顔見知りなんてことはまずなくて、その後、どこかで出くわすことも、ほぼ有り得ないでしょう。

ところが今回は、メイドのライラに紹介された親戚で、名前も「ビビアン」だとバレてる。住んでいるのは隣街。しかもライラも一緒になって憤慨。私の家が出入り禁止になるだけでなく、当然ライラを通じて噂が広がるのは、目に見えている。たった150ペソのために、仕事の機会を失った上に、親戚・縁者の間でも評判を落とすって、想像できなかったんですかね?

まぁ、本当の最貧困層の人だったら、日々の暮らしに苦労し過ぎて、感覚が麻痺するか、最初っからそういった常識を、身に付ける機会すらなかった、なんてこともあります。以前には「なぜ俺に、借金を頼みにくる?」とツっこみたくなる人もいました。

とは言え、私の周囲の人は、メイドや大工さんの紹介を誰かに頼むと、意外と慎重だったりします。これはシライのような小さな街で、知り合いの知り合いは皆知り合い、だからでしょうか。特に仲のいい友人とか親戚になると、紹介した人の行いが悪かったら、自分の顔に泥を塗られたように感じる人も、結構いるんですよ。実際ライラは、かなり怒ってたし。

それとは反対に、紹介先の待遇が悪くても、やっぱり紹介者の肩身が狭くなる。ライラの話ばかりになってしまいますが、彼女は最近、近所の大きな家のオーナーから頼まれて、知り合いの女性をメイドとして紹介したそうです。ところが、広い邸内の部屋すべてに、一流ホテル並みのハウスキーピングを要求され、しかも完全ワンオペ。サラリーの安さの割にはあまりの無茶振りで、1日で辞めてしまいました。

その報復、というわけでもないでしょうけど、知り合いがどんだけ酷い目に合わされたかを、あちこちで喋りまくっているライラおばさん。まぁすでに隣近所では、メイドが居付かない家だと、有名だったんですけどね。

ことほど左様に「恐怖の噂社会」であるフィリピン。さらに地方のネグロス島。雇い主の家に入って、プライベートなことを見聞きする機会があるような職業、メイドにお抱え運転手、ガードマン、そしてホームサービスのセラピスト(マッサージャー)。こういう人たちには、余程のことがない限り、声を荒げたりするのは禁物。

なので、そっち側にいるはずのビビアンなのに、ずいぶん下手を打ったなぁと、腹が立ったり呆れたりしたわけです。


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