2018年11月8日木曜日

緑の効用



着陸直前の機窓から
上:ネグロス、下:マニラ

フィリピンに住んで良かったことは数あれど、私が最近特に感じるのは、緑の多さ。これはフィリピンと大括りにすると誤解されそうです。マニラやセブの都会ではなく、ネグロス島内であっても州都バコロドではない。ここシライだったからと言うべきでしょう。

緑が多いだけなら、マニラ首都圏近郊でもセブ周辺にも、いくらでも場所はあります。ただし、田舎過ぎると生活は確実に不便。同じネグロス島内でも、ちょっと山の方には、かなりの大きくて学校まであるのに、コンビニも市場もない集落は多い。下手すると電気や水道も未整備で、病院もないのは、切実に困りますね。

そう考えるとシライは、徒歩圏内(こちらではトライシクル圏内?)に、公設市場はもちろん、ショッピングモールのガイサノ内を含め、セーブモア、ロペス、プリンス、フードマンと5つもスーパーがある。ちょっと多すぎるぐらい。

そして私たち家族の住んでしいるのは、おそらくシライ市内で最も環境がよい、セント・フランシス・サブディビジョン。特に我が家のあるフェーズ1の区画は、価格がやや高い上に、2〜4ロット以上の一括購入が条件なので、投機目的のランド・オーナーが多い。土地を買ったけど家は建てないというパターン。

つまり、家の周囲は空き地ばかり。と言っても地肌がむき出しなわけではなく、人を雇ってバナナやパパイヤを植えたり、野菜を作ったり。さらに放置してても、勝手に樹木が生えて、すぐにジャングルに戻ろうとする勢い。そりゃそうですね。冬がなく、年中日光と雨には事欠かない熱帯地方。

こういう場所の一軒家なら当然のごとく、窓の外はどの方向を見ても滴るような緑一色。天気の良い朝は、たいへんに気分がよろしい。





2階寝室から朝の風景

この家に引っ越してから、はっきり自覚できるほど体調が良くなったのは、仕事を辞めたとか、今まで住んだこともない広さの家、という理由もあるでしょうが、この毎日見る緑の効用は大きかっただろうと思います。

緑を見ることで、こんなに心安らぐと、やっぱり人間は、樹上生活をしていた猿の仲間の末裔なんだと実感する次第。一説によると人間の祖先が木から降りて地上に住み、結果として二足歩行を獲得したのは、環境が変わってジャングルが消滅したからなんだとか。今の私が感じているのは、DNAに刻まれた、かつて慣れ親しんだ森への郷愁なのかも知れませんね。

正直言って、マンションの高層階で、周囲を見渡せる絶景に囲まれた生活にも、憧れないわけでもない。バコロドに最近できたコンドミニアムは、西に面して海を望む素晴らしいロケーション。日本人の友人が時々そこからの夕焼けをSNSに投稿していると、羨ましいと思います。

それでも、手に届く範囲に木や草があり、隣の空き地に自生する、極楽鳥花を切り花にして、祭壇に飾れるのも捨て難い魅力。時には裏庭から収穫した果物が食卓に上るのも、ある意味、理想郷かも知れませんね。


0 件のコメント:

コメントを投稿