2014年9月12日金曜日

9.11に思う

2001年と言えば、私たちはまだ新婚と言ってもいい時期。あの年は、偶然にも8月に夫婦でアメリカを旅行しました。仕事で世界のあちこちへの出張が多く、ちょうどお盆休みの直前にアメリカでの仕事があって、当初の出張期間が終わってから自費で家内を呼び寄せて、新婚旅行気分のニューヨーク観光を楽しんだのでした。

その前年の仕事で、ニューヨーク在住の日本人夫婦のNさんと友達になって、奥さんには家内の観光ガイドみたいなおもてなしをしていただき、とても楽しい休暇を過ごせました。生まれて初めてのニューヨークで、家内は大はしゃぎ。

帰国して、盆休みが明けてしばらく後の、あの日の夜。10時からの報道番組にチャンネルを合わせた瞬間に、黒煙を上げる世界貿易センタービルの映像が目に飛び込んできました。まだその時は、それほどの大事件だとは知らず、セスナでも突っ込んだのか?という感じでしたが、2機目がビルに激突した瞬間を見て、ただ事ではないと気付きました。機影がどう見ても大型の旅客機。

その後、当時契約していたCNNに切り替えましたが、日本語の同時通訳が何を言っているか分からないほどパニック状態で、英語音声に切り替えて家内と一緒に画面に見入ってました。

そしてビルの倒壊。ニューヨークを案内いただいたNさんが、ブルックリンの自宅からちょうど貿易センターの下を通る地下鉄に乗って、毎朝通勤しているのを思い出し、血の気が引く思いがしました。国際電話やメールで安否を確認しようとしましたが、まったく不通。後で聞いたところ、幸運にも通勤時間の前だったので、自宅で待機していて無事だったとのこと。

そのうち日本時間では夜も更けてきましたが、どうすることもできないので、動揺が収まらない家内を促して、ベッドに入ったのを覚えています。

世界中にフィリピン人の出稼ぎ労働者は多いですが、あの時ほどそれを実感したことはありませんでした。しばらくの間家内は、ABS-CBS(CS経由で日本でも視聴できるフィリピンの放送局)で、事件に巻込まれたフィリピン人の情報について、毎日一生懸命見ていました。家内の友人、知人で亡くなったりした人はいなかったのが、救いでした。

もうあれから13年が経ちます。
会社も辞めてしまったので、恐らく私はアメリカに渡航することは当分、ひょっとすると二度とないかもしれませんが、今でも時折当時一緒に仕事をした、現地スタッフの人たちのことを思い出します。Nさんとは、それからも何度かお会いして、たまにメールのやり取りも。

9.11を知らない息子が、先月でもう9歳。早いなぁ。



事件の前年、出張の時に撮影した世界貿易センタービル


0 件のコメント:

コメントを投稿