2014年9月3日水曜日
教科書のない勉強 <イロンゴ講座 その2>
前回に続いて、フィリピンの方言イロンゴ語学習について。
昨日から本格的に再開した勉強。このイロンゴ、ヒリガイノンとも呼ばれる言葉は、フィリピン国内で約700万人が母語として使い、第二言語としては400万人、合わせて1000万人を越える人が喋れるそうです。
この数字からすると、決してマイナーな言語とは言えませんが、新規の学習者にとっては、なかなか難しい言葉。すこしかじった程度の印象では、文法が特別複雑だとか、発音が特殊ということもないけれど、どうもわざわざ教科書を作るほどの需要もないらしく、参考にできるテキストがほとんどない。
探し当てたものも、英語、タガログ語対応の薄っぺらい辞書と、単語帳程度の対訳テキストぐらいでしょうか? 体系的に文法や動詞の活用ルールなどを網羅したものは見た事がありません。仕方がないので、イロンゴのネイティブ・スピーカーから、聞き取りに近い状況での学習になります。
もちろん、基本的なルール、例えば動詞の時勢変化などは比較的簡単なので、別に専門の教師でなくても教えられます。ルート・ワード(語幹)の前にnag を付けると過去形とか、ma を付けると未来形だとか…。
しかし、今日気付いたのは、前回も書いた「si」。私の勝手な思い込みで、てっきり英語のbe動詞に相当するものと勘違いしてました。実は冠詞らしい。言語学的にそういう解釈が正しいのかどうか分りませんが、固有名詞を主語にするときにも Si Francis nagkato sa Hapon. (フランシスは、日本へ行った。)のように、その前に置くと教えられて、分った次第。
最初から人名だけに使う、英語のtheみたいなもんだと言ってくれれば、誤解も生じなかったのに…。今後もこの調子で、時々遠回りをしながらの勉強になるんでしょうね。これを機会に日本人のためのイロンゴ学習教科書を作ってやろうかと、一瞬思いましたが、どう考えても需要はほとんどなさそうです。普通に英語が通じるし、本当に必要とする人が多ければ、今頃、日本語/イロンゴ語の辞書や教科書が、たくさん出版されているでしょうからね。
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