2014年12月12日金曜日

棺とギャンブル 〜フィリピンの通夜〜

もうすぐクリスマスという時期、家内の大叔母が亡くなりました。享年98歳の大往生。朝起きてこないので、家族が寝室に見に行ったらもう冷たくなっていたそうです。これだけ長生きして、最後まで家族と一緒に過ごして、苦しむことなく自宅で最後を迎える。周囲にもほとんど迷惑をかけずに、ある意味理想的な人生の終わり方かも知れません。

8年前に義母の死を経験しているので、フィリピンでの葬儀は初めてではありません。しかし今回は比較的距離のある親族だったので、不謹慎ながら興味深く観察することができました。

フィリピンでは誰かが亡くなると、ほとんどすぐ遺体に防腐処理が施されます。熱帯の気候で年中暑く遺体の傷みが早いのと、死後約1週間も通夜が営まれるからです。義母の時は、埋葬予定の墓地付属のチャペルの傍にある、葬儀用のホールで通夜と葬儀が行われましたが、今回は葬儀会社で、20畳ほどの広さがあるお御堂が4室と受付がある葬儀会館のような建物。




私たちが最初に弔問した時は、すでに遺体は棺に納められ、親族が交代で付き添っていました。これが日本ならば、喪服に身を包んで集まった人たちは、静かに故人の思い出を語り合い...となるところなんでしょうが、フィリピンでは棺の前でギャンブルをするのが恒例。だいたい誰も喪服らしきものを着てないし。



私たちの少し後からお御堂にやって来た、まったくの普段着のおばちゃんたちが4人。おもむろに真四角のテーブルに陣取ったかと思ったら、麻雀が始まってしまいました。やってる方も、見てる人も「至極当然」という顔。
以前、棺の前で夜明かしした時は、男ばかり数人集まって、酒を飲みながらトランプをやってました。その記憶があるので、通夜で博打打つのは男だと思い込んでましたが、そうでもないんですね。



ちょっと長くなりそうなので、本葬の様子は次回の投稿に続きます。


0 件のコメント:

コメントを投稿