2015年9月4日金曜日

月収12,700円


貧困が社会問題とされるフィリピン。その中でも人口の数パーセントの地主に富が集中しているネグロス島は、特に貧富の差が激しいと言われます。四国よりやや小さいネグロス島の、西半分を占める西ネグロス州。その中核都市シライの市街地に住んでいると、確かに裕福な感じの人は少ないし子供の物乞いがいたりしますが、例えば昔インドのデリーやムンバイで見たような絶望的な貧困に比べるとずっとマシだと思ってました。

ところが先日、ネグロス島で活動する日本のNGOスタッフから教えてもらったところによると、シライ市民の収入調査の結果、全所帯の7割以上が月収5000ペソ(約12,700円)以下だったそうです。一人当たりではなく一所帯。平均なので家族構成はさまざまでしょうが、低所得者ほど子沢山の傾向は傍目でも顕著。恐らく4人とか5人とか子供を抱えている所帯でこの収入なんでしょうね。

フィリピンで生活してないと、5000ペソってどのぐらいなのかピンとこないと思います。ザックリした感じ、食材や衣服などの日用必需品を買ってるだけだと1000ペソが1万円札の使い勝手。そうすると日本的な感覚では5万円程度になるでしょうか。それで家族全員養うとなると、フィリピンでも相当厳しい。当然貯金はできない。

住む場所となるともっと厳しくて、2〜3LDKで50平米ぐらいの家を借りると5000ペソぐらい軽く吹き飛ぶ。そして意外にも高額になるのが電気代。かなり慎ましい生活をしている義弟宅でも、家族5人で月2000〜3000ペソも払ってるそうです。

こちらでは公立ならば高校まで学校は無料。しかし制服や校内での食事は有償なので、子供が何人もいたらちょっとツラい。毎日全教科の授業があり重い教科書を全部持っていくため、徒歩通学は難しい。輪タクに乗ると一日20ペソ(約50円)はどうしても必要です。すると通学だけで一人月400ペソ。通えなくなって小学校を辞めてしまう子供がいるというのも頷けますね。

我が家のメイドさんの月給は2500ペソ。常々安いな〜と感じてましたが、住み込みで部屋代も食費も光熱費も不要なのだから、それほど安いわけでもないと思い直しました。


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