2015年9月8日火曜日

結核蔓延国の憂鬱


私のフェイスブック友達で、我が家のメイド、アミーの親戚の女性。先日この人が、結核に感染していることが分かりました。しばらく前から体調が悪いと言っていて、最近仕事を休んで静養中だったのですが、まさか結核とは...。

日本でも結核患者がまた増えているという話は、何となく聞いたことがありました。調べてみると、2013年で2万人が感染し死亡者が2084名もいて、日本は「中蔓延国」。世界レベルで見ると、結核はHIV/エイズ、マラリアと並ぶ世界三大感染症のひとつ。そして私たち家族の住むフィリピンは世界8位の結核蔓延国なんだそうです。

結核は、きちんと治療すれば治らない病気ではないのですが、最低でも半年程度は投薬治療が必要で、治る前に止めてしまうと菌に耐性ができてしまって、同じ薬は効かなくなるという厄介な性質。フィリピンでは栄養不足、薬品不足、不十分な知識などから家族で感染してしまう例が多く、死因の6位を占めるほど。特に貧困層に蔓延する傾向が高い。

私の家族は私も含めてBCG接種をすでに受けています。しかし絶対に感染しないと保証されたわけでもないそうですね。フィリピンでは結核に対する無知や偏見が横行していて、いまだに不治の病と信じている人もいる。そのため患者に対する根強い差別があるとのこと。

それとなくアミーに聞いてみたところ、やっぱり喘息だと思っていました。結核であることは隠しておきたいらしい。困ったことですね。こうして隠しているうちに周囲に感染を広げてしまうのか...。

さらに恐ろしいことに、この人は近所で活動している日本のNGOの事務所で働いていました。結核患者が出たというのに、このNGOではスタッフの検診もまったくせず放置して、今まで通りに日本からの高校生や大学生を、研修生として受け入れているそうです。

それでなくても結核蔓延国とされているフィリピン。日本人が感染拡大を手助けするような真似をするとは、まったく信じられません。


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