2016年12月12日月曜日
今こそメイドビザを
今年、2016年版のジェンダー・ギャップ指数が公表されました。ジェンダー・ギャップ指数とは、世界経済フォーラムという国際的な非営利団体(1971年に発足し、スイスのジュネーブに本部を置く)が、年に一度世界各国別に、男女間で均等に地球資源が分配されているかどうかを数値化したものだそうです。
この指数の算出の基礎となるデータは、「健康」「教育」「経済参加」「政治参加」の4カテゴリーで調査され、一般的には「男女平等ランキング」と紹介されています。数値が高いほど男女間格差を小さいということ。
昨年、調査対象国142の中で、101位だった日本。今年はさらに悪化して111位まで落ちてしまいました。これに対してフィリピンは、アジア諸国ではブッちぎりのトップで、全体でも7位。日本の場合、教育では格差が小さいものの、経済・政治参加、つまり議員や管理職に就いている女性の割合が、とても低い。
確かにフィリピンでは、ここ30年で女性の大統領が二人も選出されているし、現職の副大統領も女性。私のメインバンク、メトロポリタン銀行のシライ支店では、支店長以下のマネージャーがほとんど女性で子持ち。しかも私が口座を開けた時期には、担当マネージャーが、本人も周囲も当たり前の顔して、臨月のお腹を抱えてました。私の見聞や実体験からも、この指数の結果には説得力を感じます。
これに関して、日経スタイルは興味深い記事を書いています。フィリピンでの女性の社会進出を支えているのは、メイドさん。ホワイトカラーに従事する女性は、家事・育児など任せられるものを、プロに外注することを躊躇しない、という意味の内容。
これだけを読むと、何もかも丸投げにして、女性は仕事だけしていると捉える人もいるかと思いますが、日本と違って狂ったような時間外労働は、女性に限らず男性でも絶対にしないし、土日はキッチリと休む。夕食時や休日には家族と一緒に過ごすのが常識なので、家事はしてもらっても、子供を放置することにはなりません。
中には本当にメイドやヤヤ(雇われ乳母)に任せっきりの人がいても、それは少数派。カルチャーではなく、各家庭個別の問題。日本にだって育児放棄する親がいるのと同じです。
我が家では主夫が私で、働いて現金収入を得ているのが家内。お弁当と夕食の支度、子供の学校への送り迎えは、私が担当しています。(小学生の子供を一人で登校・帰宅させたりすると、虐待だと思われかねません。)それでも家内は、息子と平日でも1時間やそこらは会話してるし、健康状態や学校での出来事を把握しています。
掃除・洗濯・買い物などはメイドのネルジーに頼んでいて、何より助かるのは、食後の片付けやってくれること。もし自分が外で働いていて、しかも家事もするとなったら、流し台に汚れた食器が溜まってたり、乾かした洗濯物が山になっていたりした時に、一番徒労感を覚えることでしょう。これだけでも、メイドさんがいてくれて、本当に気持ちが楽。
「保育園落ちた日本死ね」が流行語になってしまう日本。今必要なのは、一刻も早くフィリピンなどの海外から、メイドさんに来てもらうこと。これ、だいぶ以前から本気で考えてます。とにかく日本は対応が遅すぎる。その上、効果が10あっても、弊害が1でもあったら、全部却下という体質。「完璧に準備ができました」という体裁が整わないと動きません。
例えば、フィリピン人看護士の受け入れの条件に、完璧な日本語と完璧な医療知識を求めたり。以前にも書きましたが、そんな優秀な人は日本に来なくても、アメリカで就職できるだろうし、フィリピン国内でも仕事は見つけられます。誰がわざわざ高いハードルを克服して、過労死といじめの国に来てくれるものか。(しかも最近は、低賃金)
もう多少拙速でもいいから、とにかくやってみて、問題が出たら都度法律や制度を改善していく方法が、取れないもんでしょうか。完璧主義の日本では、大人も子供もみんなが疲れていて、不幸せそうなのに、なんでもエエ加減な国フィリピンでは、みんな幸せそう。この調子では、日本のジェンダー・ギャップ指数は、この先何年も改善されそうにありません。
次回に続きます。
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