たった1割と侮るなかれ。総人口1億を上回るフィリピン。日本とは異なり、信仰を持たない人はほとんどいないので、大雑把に数えても、1千万人の信者がいることになります。しかも、自分の意思で、多数派のカトリックを選ばなかっただけあって、文字通り「敬虔な」信者が多い印象。
「今日は雨が降ってるからミサはまた来週」などと、簡単に諦めるユルユルのフィリピン・カトリックとは大違いの、本当に真面目な人たち。自宅の近くの末日聖徒(モルモン教)、エホバの証人、セブンスディ・アドベンティストなどの教会は、どこもそれほど大きくないけれど、礼拝のある時間帯(日曜日とは限らない)には、チャペルから溢れんばかりの人が集まります。
中でもフィリピン生まれのキリスト教、イグレシア・ニ・クリストの信徒は、時間厳守だし、お金にはキッチリしてるし、数あるフィリピン・ノン・カトリックの中でも筋金入りのクリスチャン。以前にもこの宗派については投稿したように、ある意味、とても日本人的な生真面目さと勤勉さを旨とする教義。
シライ市内にある
イグレシア・ニ・クリスト教会
そして、我が家の真面目なメイドさん、ネルジー嬢も信者の一人。日曜日の朝以外にも、木曜日の夕刻に礼拝があるそうで、毎週欠かさず出かけます。それも、ドレス・コードが厳しいらしく、いつもスカートに袖のある服。メイクも気合い十分。知らなかったら、デートにでも行くのかと思ってしまいそう。
ネルジーの教会通いは、今年2月に我が家で働き始めた当初からだったので、とっくにイグレシア・ニ・クリストの洗礼は済ませてると思ってたら、実はまだ見習い信者だったらしい。ネルジーを紹介してくれた、私の友人クリスティンが、わざわざ家にやって来て「洗礼の準備なので、今週は三日続けて教会です」と、雇い主である私の許可を求めに。この礼儀の感覚がとっても日本人的。
さぁそれから、礼拝前になると大緊張のネルジー。いつにも増して念入りにおめかしして、それこそ「お見合いに行くんか?」と言いたくなるほど。いつもはTシャツに短パン、サンダル履きのスタイルしか見てないので、すごく新鮮。しかも、結構な衣装持ちなんですね。
めでたく洗礼を終えたネルジー。特に変わったこともないけれど、その後、なぜか息子のお弁当の配達や、市場への買い物頼んだだけでも、教会に行くのと同じレベルで着飾るようになりました。昨日など、胸元が開いた真っ赤なブラウスを着て、コロンの香りを振りまきながら小学校へ。お洒落に目覚めたのか、それとも...?
まぁ24歳のお嬢さんだし、いろいろありますわな。以前のメイドさんのように無断外泊したりするわけでもないので、しばらくは温かく見守りたいと思います。なんだか、父親の視線になってますね。
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