2020年2月15日土曜日

男からチョコレート


今年(2020年)2月1日付けの日本経済新聞に、チョコレートメーカーのゴディバが、「日本は、義理チョコをやめよう」と題した広告を掲載したそうです。

ボディコピー(本文)を読むまでもなく、ゴディバの主張にはピンと来ました。オフィスで働く女性が、それなりのお金と労力を使って、愛情があるわけでもなく、特別な感謝もしていないオっさん供に、毎年チョコレートを配る儀式に、無理矢理参加させられている事に、異議を唱えてるんだろうと。

書き方はそこまで直接的ではないけれど、ゴディバ・ジャパンの社長ジェローム・シュシャン名で、だいたい思った通りの内容が書かれていました。

このシュシャンさんという方。とても興味を持ってネットで調べてみたら、たまたま社命で日本に来たビジネスパーソンではなく、大学時代に日本に旅行し、本気で日本にハマったという人物。あの厳しいことで有名な「永平寺」で修行し、弓道は有段者...どころか指導者に与えられるという「錬士五段」。

ここまでなら、時々テレビで「青い目のナントカ」として紹介される、日本大好きな西洋人で終わるところが、ゴディバ・ジャパンの責任者として、2010年の就任以来、5年で売り上げを2倍、2017年には3倍にしたという経営手腕の持ち主。

しかも、奥さまは日本人で、私より1年だけ歳上の1961年生まれと言うから、驚いてしまいました。

少なくとも、この経歴を拝見する限り、生半可な日本人より、よっぽど日本の文化や日本人の物の見方、考え方を理解していると思われます。そういう人が、わざわざ、自社の売り上げを落とすかも知れないのに「義理チョコをやめよう」と日経の紙面にメッセージを掲載したのはすごい。

私も、日本でのバレンタインデーに関しては、以前から何かおかしいと感じていました。そもそもなぜか女性から男性の一方通行で、しかも贈り物はチョコレート限定。バレンタインデー本来の意味や由来とは、かけ離れているし、果ては「義理チョコ」なんて訳の分からん習慣まで。

カトリック信徒である私からすると、救い主の生誕を祝うべき夜に、セックス目的のカップルでホテルの予約が一杯になるとか、ハロウィンに泥酔した大人が路上で騒ぐといったことと、同質の歪み方。

カトリック国のフランスで育ち、正しく日本の伝統を学んび、しかも現代日本ビジネスシーンの最先端で働くシュシャンさん。ヨーロッパ発祥の習慣が曲解され、愛する第二の母国である日本の女性が、バレンタインデーを重荷に感じている現状を、見るに忍びなかったんでしょう。

ということで、昨日のバレンタインデーには私の側から、贈り物をしたいと思う人たちに、愛情や感謝、友愛の気持ちを込めて、チョコレートを手渡しました。家内も私に、小さなケーキを買って帰ってくれたし。

やっぱり変な義務感に縛られることなく、自然体での贈り物が一番ですね。


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