2020年2月26日水曜日

救急車とフィリピノ・ホスピタリティ

今日は、久しぶりにフィリピンの救急車を、間近に見ることになってしまいました。自分で頼んで来て貰ったので、当然なんですけど。

事の発端は、我が家のゲストハウスに滞在いただいている、日本人向け英語学校の女子生徒さん。先週彼女が、風邪で寝込んでしまいました。本来ならすぐにでもお医者さんに診てもらって、薬を飲めば良かったんですが、どうもフィリピンの医療とか薬品に対して、不信感があったらしい。

結局、月曜日に発症して、クリニックに行ったのが金曜日の午後。1ヶ月の留学期間のうち、1週間をベッドで寝て過ごすことに。ただ、処方してもらった抗生物質が効いたようで、週明けにはすっかり元気になりました。

ところが、ここからが良くない。何を思ったのか、新しく渡航してきた生徒さんたちと一緒に、選りに選って牡蠣を食べたんだそうです。元気な状態でも、お腹こわしちゃうこともある牡蠣。しかも熱帯のフィリピンで。さらに1週間の病み上がりにいきなり。

もし私がその場にいたなら、泣いて止めたんですけどねぇ。さすがに生食はしなかったにしても、無謀過ぎます。

案の定、2日経った今朝から、発熱に下痢と嘔吐。その女の子だけでなく、フィリピン到着すぐだった男の子も同じ症状でダウン。具合が悪いとは聞いてましたが、部屋の掃除に入ったメイドのライラが、本気で心配するほど。

比較的症状が軽い男の子の方はともかく、女の子は、連続の体調不良で精神的に参っている様子。しかも足元がふらついて、歩くこともままならない。そこで私が英語学校のマネージャーに、救急車で州都バコロドの大きな総合病院に搬送してもらうよう、進言したという次第。

治療はもちろん、設備の整った医療機関できちんと検査を受けて、少しでも女の子の心配を取り除くべきだと判断しました。そんな経緯で、冒頭の救急車到着となったわけです。

実は私、移住早々の6年前の8月、同じようにシーフードにアタって救急車で運ばれて、バコロドの病院に二泊三日で入院した経験があります。あの時に乗せられた車両は、救急車とは名ばかり。外側はそれらしく塗装してあっても、中はがらんどうのただのバンという代物。

それに比べて今日見た車。6年間の好景気を反映するように、緊急車両っぽく、ずいぶんときれいになってました。電話してもなかなか繋がらず、到着まで30分以上かかったのは、あまり改善されてませんが。



救急車の話はさて置き、感心したのはメイドのライラと家内。搬送されるまではライラが、病院到着以降は、わざわざオフィスを早退した家内が、病人に付きっきり。汗を拭いたり励ましたり、同じ日本人同士でも、とても私には真似の出来ない手厚い対応。これぞ真打、フィリピノ・ホスピタリティ。

もちろん学校からは、とても有能で優しい、マネージャーの日本人女性が同行していたので、我が家の二人がいなくても、実務的には問題はなかったでしょうけど、やっぱり病人の気持ちになって考えれば、心強かっただろうと思います。

ということで、病院での検査結果は、アメーバ赤痢みたいなタチの悪い感染症ではなく、薬を処方してもらって、夜8時頃には全員が帰宅。吐き気はまだ残っているものの、搬送前の絶望的な表情は影を潜めて、取り敢えずはホッとしました。


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