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2018年5月27日日曜日

南国映画館「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」

「solo a star wars story」の画像検索結果

約1年半ぶりの「南国映画館」です。実は、そんな投稿をシリーズ立ててやってたんですよ。最後に書いたのが、2016年の12月にフィリピンで公開された日本アニメ「君の名は。」 つまりそれ以来、映画館に行ってなかったということです。

最近、フィリピンでのヒット作と言えば、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」。私は観てませんが、息子が従兄姉たちと映画館へ。ネグロス島にしては珍しく人がいっぱいで、夕方の回が無理。仕方なく7時過ぎから観始めて、子供にしてはずいぶん遅い時間に帰宅しました。(もちろん子供達だけではなく、義弟が引率役)

そういえば、ネグロス島の映画館について、ちゃんと書いたことがなかったですね。フィリピンの地方でも、日本やアメリカにあるシネマコンプレックスと、何も違いはありません。SMやロビンソンズなど、大型ショッピングモールの最上階にあって、ネットでもチケットが買える。日本語字幕はないことを除いて、中に入ってしまえば、どこの国にいるのか分からないほど。

さて、昨日(5/27)の土曜日、公開早々観に行ったのが「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」。これは、1977年に第1作が全世界で大ヒットして、今では伝説となったスター・ウォーズのスピンオフ作品。若き日のハン・ソロが主人公という映画。と書いてみると、続編の作り方としては、最近使い古された感じ。

このブログを投稿している時点で、まだ日本では公開されてないし、ネタバレをするつもりはないものの、不要な予備知識なしに作品をご覧になりたい方は、ここから先、読まないことをお勧めします。



ちょっと苦言というか、文句になってしまって恐縮ながら、とにかく最初から最後まで画面が暗い。周囲が明るいシーンでも、やたらと逆光を多用するので、正直なところ途中で、どれがどのキャラクターなのか、分からなくなってしまいました。

今アベンジャーズと並んで、最大の稼ぎ頭であるこのシリーズで、技術的なミスでこうなった、なんてことはあり得ないので、意図的な画面作りなんでしょうね。老眼が進んで、日常生活でも、夜間の屋内では光量不足を感じる私なので、そのせいもあるのかと思ってみたり。

そこで思い出したのが、スター・ウォーズの生みの親ジョージ・ルーカスとは盟友の、フランシス・フォード・コッポラが撮った「ゴッドファーザー」。この映画も、ドン・コルレオーネというマフィアのボスを演じる、マーロン・ブランドが登場するシーンでは、敢えて照明を抑えた暗いトーンが用いられ、当初は批評家から「コルレオーネの目が、暗くて見えない」とこき下ろされました。

ただ、ゴッドファーザーの場合は、並行して描かれた結婚式では、眩しいほど自然光が溢れて、そのシーンとのコントラストが強烈で、監督の意図が明確。暗い画面は全然気にはならなかった。

ということで、久しぶりの映画館で、約2時間の上映の間、ず〜っと目を凝らしていることになり、英語の聞き取りと合わせて疲労困憊。若きハン・ソロの話なので、もっと能天気で、明るく屈託のない画面を期待してたんですけどねぇ。

映画から帰って、週一の出張マッサージをしてもらったら、案の定いつもにも増して、眠気がすごい。夕食はざるそばで誤魔化して、午後8時前にはぶっ倒れるように眠ってしまいました。食後のコーヒーもなしで、ペットの餌やりもスルー。朝起きたら、ゴマ(犬)とチャコ美・茶チャ(母娘猫)が「一体、どうなってますんや?」という顔で、私を待ってました。


2016年12月18日日曜日

南国映画館「君の名は。」


先週12月14日から、フィリピンでも劇場公開が始まった、映画「君の名は。」。日本の歴代興行収入第2位を記録する大ヒット作で、内容について今更説明の必要もないでしょう。約半年遅れで、ここフィリピンにもやって来たというわけです。

日本のアニメのファンが多いフィリピン。それでも劇場で公開される作品は、それほど多い感じでもありません。少なくとも、私たち家族が移住してからの、この4年間では「ポケモン」ぐらいだったでしょうか? 日本の実写映画に至っては、フィリピンの映画館で見た記憶はないですね。

マニラの映画館で「君の名は。」公開予定という情報はあったものの、ネグロス島ではどうなのかは、まったく知らず。たまたま、クリスマス前の買い物で、家族で州都バコロドのショッピングモールに行った、昨日の土曜日。ひょっとしてと思い、最上階のシネコンを覗いてみたら、"Your Name" Now Showing の表示が。時間も開始前15分だったので、これ幸いと、小学生の息子と二人で映画館に飛び込みました。

今回嬉しかったのは、英語の吹き替えではなく、日本語のオリジナル音声そのままで、英語字幕版だったこと。日常生活では、それほど困らない程度の英語力はあるけれど、映画は難しい。

ハリウッド製の話題作は、字幕なしでそのまま上映できるので、日本よりも早く見られるケースが多い。本当はもっと頻繁に映画館に足を運びたいのですが、アクションやSFならばなんとかなっても、やはりシリアスなドラマになると、筋を追いかけられず、どうしても敬遠してしまいがち。ということで、本当に久しぶりに、言葉で煩わされず映画を楽しむ機会になりました。冒頭の「東宝」のタイトルには、思わず快哉を叫びそうに。

監督の新海誠さんの劇場デビュー作「ほしのこえ」は、WOWOWで放送された時に見ました。「なんて美しくて情感たっぷりに、空を描く作家なんだろう」という印象が強く残った作品。そして今回の「君の名は。」は、「ほしのこえ」以上に、空そのものがストーリーに深く結びついた内容で、主人公たちの心情描写も、空で表現。全編、とても気持ちよく見ることができました。

細かい部分では、田舎の情景の中に、「オロナミンC」や「アース」の昔懐かしい看板が描かれていたり、飲料の自動販売機に「コーヒーのBoss」のロゴを見つけたりで、本筋とは全然関係ないところで、一人ウケてしまった。

さて、気になるのは、映画を見てのフィリピン人の反応。
実は土曜日とは言え、正午過ぎの、その日最初の上映回だったせいなのか、まばらにしか人がいませんでした。内訳は、全員10代か20代前半くらいの若い人ばかり。家族連れはおらず、友達同士とか男女のカップルのみ。

前半の、シチュエーション・コメディっぽいパートでは、結構笑いが多かった。笑うタイミングも、日本人の観客と多分同じという感じ。そしてエンディングロールでは、拍手する人がいました。これは、日本ではあまりないことですね。

それにしてもこの映画では、飛騨の田舎町も東京も、ずいぶん綺麗に描いてました。日本でも、映画に登場した場所を「巡礼」するのが流行っているそうなので、これは日本に憧れる若いフィリピン人は、映画を見た後、ぜひ行ってみたいと思うんじゃないでしょうか?(すごく幻滅して帰国するかも知れませんが)そう考えると、「君の名は。」は、よく出来た日本の観光案内映画になっている、とも言えそうです。

まぁ、たった十数人程度とは言え、皆さん楽しんでいたようで良かった。その次の回には、もう少したくさんのお客さんが待っていました。私も映画が気に入っただけに、中国と同様に、フィリピンでも大ヒットしてほしいものです。

でも正直に言うと、なぜ「シン・ゴジラ」は上映されないのか?と思うし、もっと正直に言うと、「君の名は。」よりも「この世界の片隅に」をフィリピンの映画館で見てみたかった。


2019年7月7日日曜日

南国映画館「ブレードランナー 2049」


ごくたま〜に、シアターやDVDで観た映画について「南国映画館」と題して投稿しております。前回の「ハン・ソロ/スターウォーズ・ストーリー」を書いてから、もう1年以上も経ってしまいました。

今日、ご紹介するのは2年前(2017年)に劇場公開された「ブレードランナー 2049」。別にフィリピンで人気だとか、そういうことは全然なくて、先日の一時帰国の時に日本語字幕付きのDVDを買って、それをたまたま昨夜観たからです。

何を隠そう私は、1982年の第1作「ブレードランナー」を大学生の時に映画館で観て、まともに影響を受けた世代。ストーリーもさる事ながら、映像自体の強烈なインパクト。これは監督のリドリー・スコットの手腕にも増して、「ビジュアル・フューチャリスト」を自認する、デザイナーのシド・ミードの才能によるところが、大きいと思われます。

当初シド・ミードは、劇中に登場する空飛ぶパトカー「スピナー」や、ハリソン・フォード演じる刑事、デッカードが持つ拳銃など、メカニックのデザインだけの担当。ところが、提案したスケッチに描かれた背景が、あまりに素晴らしく、最終的には、映画全体のコンセプト・アーティストとなりました。




つまり、この映画を観たことで、その後私は、工業デザイナーの道を歩んだとも言えるほど。

当然のように、ビデオテープ、レーザーディスク、DVDと、映像フォーマットが新しくなる度に購入し、繰り返し鑑賞。フィリピンにもDVD版の「ファイナル・カット」を持って来ております。

そんな傾倒ぶりなので、35年目にしてようやく実現した続編を観ないわけがありません。ただ、フィリピンの映画館では、オリジナル音声しかないので、家族向けのSFやファンタジーならともかく、複雑なストーリー展開になること間違いなしのブレードランナー。字幕付き鑑賞が叶う機会を、2年間待っていたわけです。

さて、肝心のストーリはと言いますと、第1作の時代設定が何と2019年。最近、他の映画やドラマでもこういうケースが多いですね。「2001年宇宙の旅」とか「バック・トゥ・ザ・フーチャー」。鉄腕アトムの誕生日が2003年4月7日というのもあったし。現実には残念ながら、レプリカント(人造人間)も、飛行自動車も実現はしておりません。

第二作は、そのタイトルから分かるように、さらに30年後の2049年。前作で既に、自然環境は破壊され、ロサンゼルスは異常気象で年中雨。ほとんどの動植物が絶滅したディストピア。画面には緑や水のある風景は皆無で、超巨大な高層ビル群と、スラム化した街並みの陰鬱なイメージばかり。その流れは2049でも、ほぼそのまま受け継がれています。

ネタバレ防止のため、詳細は全部端折りますが、突き詰めて言えば、前作とその続編は、そんな絶望的な異世界で起こった、美しくも悲しい純愛。「許されざる恋」というやつですね。

前作で、レプリカント美女のレイチェルと、自由を求めて脱走したレプリカント抹殺が仕事であるブレードランナー、デッカードが恋に落ちたことから始まった物語。


「奇跡の美女」レイチェル

今回は、そのデッカードの後継者とも言うべき、30年後のブレードランナー、主人公ジョーの報われぬ恋が、物語の背景に描かれます。その恋人役、アナ・デ・アルマス演じるジョイ(Joi)が、何とも切ないほどに可憐で美しい。


そして、最後に明らかになる、デッカードとレイチェルの愛の逃避行の結末。前作同様、決してハッピーエンドとは言えないラストシーンには、目頭が熱くなりました。

ここまで書いて気付いたのは、今日が七夕。織姫と牽牛が、年に一度だけの逢瀬を遂げる夜。やっぱり人間って、洋の東西を問わず大昔から、幸せに成就した恋愛よりも、悲恋や失恋の物語に憧れるものなんですねぇ。


2015年12月22日火曜日

南国映画館「スターウォーズ・フォースの覚醒」


先週から世界同時公開されているスターウォーズ最新作「フォースの覚醒」。ここフィリピンでは日本より少し早く12月17日の木曜日から上映が始まりました。ネグロス島のシライで映画を観ようとすると、隣街バコロドのショッピング・モール、ロビンソンズかSMシティの中にあるシネコンが便利。

昨日、満を持して息子と一緒にロビンソンズの映画館に行って来ました。身近な人たちの間では若者を中心に結構盛り上がってるし、ネットでの日本の騒ぎようを見ると、さぞかし混雑してるだろうと推測。そこで逸る心を抑えて土日は外し、敢えて月曜日の朝11時15分の初回。モールの開店時間は10時なので、その少し前にゲートを開くのを待って、一目散に3階のシネコンへ...。

しかし、予想とは裏腹に映画館の窓口付近には人影なし。だいたい照明が点いてないし、チケットブースも無人。おかしいなぁ、もう学校はクリスマス休暇だし、職場によっては休んでるところもあるから、親子連れで長蛇の列かと思ったんですけどね。

病院の待合いとか、役所の手続き関連窓口はどこでも早朝から行列ができるフィリピン。ロトとかのギャンブルだって平日の午前中から人集りができる国です。料金も大人一人170ペソ(約400円)で日本に比べると断然安いのに。ふ〜ん、そういうものなのかなぁ?


まぁ第1作初公開の1970年代当時、高校生の頃から大ファンだった私のような人ばかりではないんでしょうね。現に同世代の中にも、全6作一度も観たことない友人もチラホラいますから。1時間も手持ち無沙汰になってしまったので、映画の後の予定だったクリスマス用の食材の買い出しを先に済ませました。

結局、チケットブースが開いたのは上映開始の30分前。私たちの他には親子連れ4人家族だけの、ほぼ貸切状態でした。北米では公開直後の興行収入世界記録を樹立かという勢いが信じられませんね。ただでさえ冷房が効きすぎの映画館。長袖のジャージを用意しましたが、ほとんど無人なので相当寒い。息子が鼻をズルズルさせたので、私のジャージまで着せました。


レイトショーかと思うほど誰もいない上映中の館内

肝心の映画の内容ですが、ネタバレしない程度に書かせていただくと、面白かったですよ。何より好感を持てたのは、長年のファンの心理を確実に理解していると思われる脚本。この物語の核である「父と子の葛藤」や「圧倒的なテクノロジー vs チームワーク」のような基本を外してない。また旧作のキャラクターには最大の敬意を払っているようで、それぞれの登場シーンでは拍手したくなるような演出。

監督のJJ・エイブラムスさんは、おそらく世界で一番のプレッシャーを感じながら撮ったと思います。何をやっても、何をやらなくても非難される超注目作。前作のスタートレックも、やはり全世界にファンのいる息の長いシリーズの新作。二つ続けてこんなに重たい仕事を成功させるとは、すごい人ですね。


2015年10月14日水曜日

南国映画館「プライベート・ライアン」

前回の「トラ・トラ・トラ」に引き続いて、若いお客さんたちとDVDで鑑賞したのは、またも戦争映画「プライベート・ライアン」。今回はこの春大学を卒業したばかりで、いきなりフィリピンで働き始めたという女性Aさんが参加。またなんで選りに選ってフィリピンで、しかも若い女性と一緒にこの映画?と思いましたが、Aさんを含めて、お客さんたちの立っての希望ということで。


この作品は1998年公開。私にすれば、本当にごく最近の映画。でもAさんたちにとっては、まだ小学校に行くかどうかという時代。思えば、結婚して家内が日本に来た当初、まだ新婚ホヤホヤの頃に一緒に見に行きました。これまたなんでデートにこの映画を選んだのかと言われそう。

ずいぶん真新しい映画館だった記憶があってネットで調べてみたら、ちょうどこの頃に大阪・梅田に新装開店したTOHOシネマズだったんですね。そう言えば、まだ家内をどこに連れて行っても、初めての日本ということで大喜びでした。

それはともかく「プライベート・ライアン」。戦闘シーンがあまりにもリアルで、その後の戦争・アクション映画の映像の作り方が一変するほどのインパクトでした。この作品の後は、手持ちカメラを使って臨場感を再現する手法が、すっかり定着。

さて、Aさんの反応。ものすごい集中力でご覧になってました。狙撃シーンでは、着弾の音にびくっと体を震わせるほど入り込みよう。私も久しぶりに観ましたが、筋書きを知っていても同じように全力で集中。エンド・ロールでは昔映画館で観た時のように、しばらくは全員無言で呆然自失状態。

Aさん曰く「すっごく面白かった」。そうですか〜。若い世代は、長くて重い映画は敬遠しがちだと変な思い込みがありましたが、それは世代に関係なく人それぞれだと、当然なことに改めて気づいた次第でした。


2019年9月17日火曜日

南国映画館「この世界の片隅に」


本当に遅ればせながら、やっと観ました「この世界の片隅に」。日本で公開されたのが3年前の2016年。その時にはもう私はネグロス島に住んでいたので、ネット経由だけながら、それでもかなり話題になってました。

まず、クラウドファウンディングを使って、四千万円近くの製作資金を集めたというのがすごい。映画を観てから、キンドルで原作のコミックを読んだところ、確かに監督の片渕須直(かたぶちすなお)さんが惚れ込むのも分かるし、これをアニメで観たいと思う支援者がたくさん集まったのも、無理はないという出来栄え。

私がこの映画のDVDを購入したのが、一昨年(2017年)に一時帰国した時。去年、姪っ子が英語留学で我が家に逗留してた時に「これ観たい」と言われたけど、時間が取れず。

実は、原爆を扱ったものなので、何となく観るタイミングを逸してたというのが正直な所。恥ずかしながら、小学生の時に読んだ「はだしのゲン」がトラウマになっていて、一人で観るのを躊躇ってました。家族と一緒にしても、それなりに気合いが必要で、結局2年以上も居間の棚に放置状態。

満を辞してDVDを開封したのが、今年(2019年)の広島原爆の日8月6日。結果から言うと、もちろん一部に被爆直後の悲惨な描写はあったけれど、全体としては、何とも温かくて切なくて、心が安まるような映画。この作品を評するには、もう散々使われたであろう表現ながら、たとえ住んでいる国が非常時でも、人々の暮らしは同じように続き、嬉しいことも悲しいことも、平時と変わらなかったんですね。

広島弁の発音にも、相当な神経を使ったとのこと。そのせいか、まったく違う作風ながら、全編に方言を使い、とてもリアルに大阪の下町を再現した「じゃりン子チエ」を思い出してしまった。私は原作もアニメも、ネグロスに持って来てます。

さて、戦時中の日本というと、国中が上から下まで年中ピリピリ緊張していたようなイメージがあって、当時を舞台にしたドラマや映画では、誰もが戦争協力を第一に振舞っていた(あるいはそう見せるようにプレッシャーがかかっていた)と描かれることが多い。

でも考えてみたら、朝から晩までそんな状態なわけはなくて、実際、当時小学生だった両親の話を聞くと、辛い体験がある反面、意外と疎開先・信州の田舎生活を楽しんだ思い出もあるようです。そりゃそうですよね。

そして、原作にも映画にも一貫してるのが、日常生活のリアリティ。食材をどうやって調達し、料理し、衣服は、住居は...。ちょっとした一コマでも、おそらく当時の写真や書物を探したり、体験者からの聞き取りをしたりなど、たいへんな労力が必要だったでしょう。

素人ながら、時々イラストを描いている経験からすると、モデルのコスチュームや持ち物、背景など、かなりきちんと調べないと、想像だけでは全然リアルな絵にならない。たった一枚描くだけでそうですから、戦争を知らない、私とほぼ同世代の、こうの史代さん(原作者)と片渕須直さん、およびスタッフの熱意と苦労が偲ばれます。

さて、一緒に観た、中学一年生の息子の反応。
途中で飽きてしまわないかと思ってましたが、「スターウォーズ」や「宇宙戦艦ヤマト2199」に対するのと同様の集中力を最後まで維持。なるほど、子供には歴史の教科書より、よっぽど伝わるもんですね。良質な映像作品の持つ力を実感しました。今大学生の姪っ子が、絶賛してたのも頷けます。

それに、ただ昔の日本を興味深く、だけでなく、各所に今のフィリピン暮らしと重なる部分があって、同じシーンで親子がニヤリ。例えば大事に仕舞ってあった砂糖壺にアリがたかる場面。フィリピンの家庭では、映画と同じく、食材の入った器を水盆に置いたりするんですよね。

ところで、この映画、原作ではとても重要なピソードのひとつが、ほとんど丸ごとスキップされてました。当初から片渕監督は、もし映画がヒットしたら、その部分を追加した映画を作る、という意味の発言。

その言葉の通り、映画館によっては2年以上に及ぶ、異例の大ヒット・ロングランを記録し、世界中に配給。約束を守って、この12月、「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」として、「完全版」が公開されるそうです。今度はネグロスの映画館でも観られるでしょうか?


2015年12月26日土曜日

南国映画館「ベン・ハー」


先日の「天地創造」に続き、クリスマスの夜はこれしかないというど真ん中の作品「ベン・ハー」を観ました。例によって家内は早々に沈没しましたが、息子とメイドのアミーは11時まで寝ないで、3時間半の超大作を最後まで鑑賞。二人とも筋金入りのカトリック信徒になるかも。

さて映画の内容。副題として「キリストの物語(A Tale of Christ)」とあるように、イエスさまの降誕に始まり、十字架での死に終わります。しかしずっとキリストの足跡をなぞるわけではなく、同時代のユダヤの貴族、ジュダ・ベン・ハーが主人公。このベン・ハーは、原作者のルー・ウォーレスが創り出した架空のキャラクターで、演じたのはチャールトン・ヘストン。この手の超大作には欠かせない名優で、1968年の「猿の惑星」にも出てました。

この映画は1959年公開。いろんな意味で時代を感じますね。今だったら、ここまで直球の真っ向勝負ストーリーでは、リアリティがないとか、先が読めるとか言われそう。それに物語のキーになるハンセン病(字幕では「業病」と表現)の扱いが難しすぎて、これも今なら、相当描き方に配慮が必要だろうと思います。

それにしても前回の「天地創造」と同じく、セットにもエキストラにも金に糸目はつけない作り。特に中盤の見せ場、4頭立ての馬車による競争のシーンは圧巻。これこそCG一切なしの本物の迫力。聞くところによると、撮影中に事故があって死者を出してしまったそうです。そしてちょうど40年後の1999年に公開された「スターウォーズ・ファントム・メナス」でのポッドレースは、ベン・ハーへのオマージュを込めて、かなり忠実なリメーク(というかパロディ?)なのは有名な話。

私が初めてこの作品を劇場で見たのは、大阪・梅田にあったOS劇場の1991年の閉鎖前、最後のリバイバル興行でした。この劇場は私の知る限り関西唯一のシネラマ専用映画館。シネラマとは、縦9メートル以上×横25メートル以上の湾曲した大スクリーンに、3台の35ミリフィルムの映写機を同期させるという、とんでもなく大掛かりな映写規格。それはすごい迫力でしたが、やっぱりお金がかかり過ぎたんでしょうね。


懐かしくて涙が出そうな、在し日のOS劇場

実は初見の頃の私は、洗礼を受ける前。聖書についての一通りの知識はあったものの、正直言って、馬車レースの後の展開は少々退屈してしまいました。なんだか急にトーンが暗くなって、付け足しみたい。ところがそれから5年で、不思議な縁で今の家内と知り合い、フィリピンで受洗してカトリック信徒になってしまいました。

その後、家内と一緒になってから、思い出したようにベン・ハーを観たところ、このレースの後こそが映画の真髄だと理解。本当に聖書の記述をそのまんま映像にしたという仕上がり。またイエス様は後ろ姿しか見せず、最後までご本人の声は聞かれないまま。「イエス」という名前すら直接は語られず「ナザレのお方」とか「若いラビ」と呼ばれていました。こう言う演出が実に上手いですね。不良信徒の私ですが、これは涙なしには観られない、感動の一作でした。



2015年10月12日月曜日

南国映画館「トラ・トラ・トラ」

ここ最近我が家には日本人のお客さんがよく来てくれます。それも30歳〜20歳の若い人たち。環境NGO関連の仕事をしていて、まだ学生の方も。ネット上でも「最近の若い連中は...。」的なボヤキを時たま見かけますが、我が家に来てくれる人を見ている限り、全然そんなことはない。むしろ私が同じぐらいの年齢の時より遥かに優秀だし、自分の考え方もしっかり持っている。

テニスを一緒にしたり、パーティだったり。お互いに現地に溶け込んで生活している分、やっぱり日本語での会話は貴重。来ていただく理由は何であっても、だいたい話し込んでしまいますね。先方にしてみれば、父親ぐらい歳の離れたオッさんの長話に付き合わされて、迷惑かもしれませんけど。

先日は、何からつながったのか昔の戦争の話になり、お客さんの一人、Yさんのお祖父さんが海軍に在籍されていたことが判明。実は私、子供の頃はハセガワのウォーターライン・シリーズの軍艦や、タミヤ模型の1/35スケール戦車などのプラモデルを一生懸命作ってました。小学生のくせに軍事関連専門の月刊誌「丸」を読んでいた変な子供だったこともあり、お祖父さんの搭乗されていた戦艦「榛名」も名前は知ってました。

そんなこんなで会話が弾んで戦争映画の話になり、私の中では太平洋戦争を扱った映画の最高傑作だった「トラ・トラ・トラ」に話題が及びました。この映画、公開は1970年。もう45年前になるんですね。製作は20世紀フォックスで、1941年、当時ハワイ真珠湾(パール・ハーバー)にあったアメリカ軍の基地を、日本海軍が奇襲攻撃をして壊滅的な打撃を与えたという史実を映画化した作品。「トラ・トラ・トラ」とは奇襲攻撃が成功したことを知らせる暗号通信です。


当然のことながら、映画の公開当時はYさんも、一緒に来ていたHさんも生まれる前。下手するとご両親がまだ出会ってないかも。そして二人ともこの映画のことは知りませんでした。日本人俳優がたくさん出演していて、日本側エピソードは監督から脚本からスタッフが全て日本人。ハリウッド映画としては、奇跡的に日本がきちんと描けている作品なんだけどなぁ。生まれる前の映画だったら、知らないのも仕方ないか。

そういう流れで、浜村淳さんのように(という冗談も多分若い人には通じない)映画解説したところ是非観たいとなって、翌週末、日本人三人のDVD映画鑑賞会。こう言う時に50インチの大画面と5.1サラウンドはいいですね。

途中で退屈してしまうのではとの心配をよそに、若いお二人さんずいぶん真剣に見入ってました。CGによる特殊効果など存在しない頃の映像。ゼロ戦を始め、登場する航空機はちゃんと人間が操縦して飛ぶ機体を改造して再現し、戦艦長門は原寸大のセット。圧巻は空母赤城からの朝日を受けての発艦シーン。これも空母はアメリカ海軍から借りた本物で撮影。やっぱり丁寧に作られたものは、時代や世代を超える力があるようです。

まぁ、選りに選ってわざわざフィリピンでこんな映画を?と思わなくもないですが、これに味を占めて時々みんなで映画鑑賞会をしようと企んでます。

2021年7月10日土曜日

南国映画館「閃光のハサウェイ」

コロナ禍のために、当初の公開日が1年近く延期され、さらに直前になっての緊急事態宣言により再延期。今年(2021年)6月11日に、やっと日本の映画館で観られるようになった、ガンダム・シリーズの新作アニメ映画「閃光のハサウェイ」。それから1ヶ月もしない7月1日に、日本以外の全世界で、ネットフリックスから配信が始まりました。

それに合わせた訳ではないけれど、ここネグロス島シライへの光ケーブル敷設に伴い、遅まきながら100Mbpsの正真正銘ブロードバンドになった我が家のネット環境。まるで万全を期したようなタイミングで、配信日を迎えました。(本当に観たのは一週間後ですが。)

いつもなら寝室のテレビで一人で観るんですが、せっかくなので、ジブリを始めとして日本のアニメが好きな、中学生の息子と親子で鑑賞。

40年前のファースト・ガンダム三部作と続編の「逆襲のシャア」まではリアルタイムで熱心に観ていた私ですが、その後は世界規模のファン拡大に背を向けていたのは、少し前に投稿した通り。(イロンゴで語るガンダム

そんな、忘れていた関心に火を付けたのは、新作がフィリピン・ダバオが舞台となるから。知ってる人には当たり前ながら、実は「閃光のハサウェイ」は、ずいぶん前に、ガンダム・シリーズの生みの親である富野由悠季さんが執筆した、小説が原作なんだそうです。

昨今話題のドゥテルテ大統領任期に便乗してわけではなく、おそらく元々ダバオが取り上げられていたんでしょうね。

さて、フィリピンとは無関係のファンの方々には、かなり邪道な動機でも、やっぱり本編ではダバオの描写が一番の注目点。結論から言うと「すごい」の一言。

オープニングから意表を突く、モバイル・スーツではない生身の人間同士の息詰まるようなアクションで、ぐっと物語に引き込んでおいて、満を辞してのダバオのシーン。背景の空や山並みを一瞥しただけで「これはフィリピンだ!」という仕上がり。

この手のご当地ロケ映画で私が覚えているのが、日本で撮影されたジェームス・ボンド映画の「007は二度死ぬ」。昭和42年(1967年)公開で、劇場ではなくテレビで観たのですが、確かに日本人俳優の丹波哲郎さんや若林映子さん、浜美枝さんが準主役級で登場し、当時の東京の風景が、絵葉書っぽく出てきます。

ところが、ボンドを支援する日本の特殊部隊が忍者だったり、ずいぶん無理矢理な設定で、和服姿のボンドと文金高島田の浜美枝さん演ずるキッシー鈴木(すごい名前)が偽装結婚したり。もう突っ込み所満載の、大・勘違い作品。

それに比べると、少なくともフィリピンに8年以上住んでいる私の目から見て、フィリピンの街並みは、綺麗な場所も貧民街も、そして食事シーンのジョリビーと、制服の店員さんに至るまで、再現度が極めて高い。無理に見せてる感じもしない。単に丁寧なロケハンをしただけでなく、フィリピン人スタッフが参加してるんじゃないかと思うぐらい。

主人公のハサウェイが滞在するホテルの豪華さぶりが、かつて私が業務出張で初めてマニラで泊まったホテル、ザ・ペニンシュラを思い出させました。あまりにリアルなので、何百年か先の未来でも、やっぱり貧富の差は今と変わらないのかと溜息が。

さらにマニアックなのは、他の島への移動手段がフェリーなんですよね。これって、住んでないとなかなか気付かない描写。多島国家フィリピンの一般庶民にとっては、飛行機よりもフェリーの方がずっと身近な交通手段。もちろん未来の話なので、乗り場もフェリーもきれいにアップグレードしてはいても、フィリピンの生活実感がこもってます。

トドメが、連邦軍の制服が半袖なこと。それだけでなく登場人物のすべてが、ちゃんと暑そうな演技をしてる。

とまぁ、本筋とは違うところで盛り上がってしまいましたが、全体としても満足できる映画でした。ちょっと残念なのは、これ一本で完結じゃなくて、三部作の第一エピソードだったこと。伏線を張るだけ張って、どうやって回収するのかと思ったら、そのまま放置でエンドロール。

これでは、続きを観ないわけにはいきません。ということで、ガンダム・ファンにもフィリピン・オタクにも、一押しのお勧め作品です。

2016年2月29日月曜日

南国映画館「アウトレイジ」



このブログで取り上げる初めての邦画は、北野武監督作品「アウトレイジ」と「アウトレイジ・ビヨンド」。比較的最近公開されたばかり(と言っても2010年、2012年)で、両方ともまだ私が日本にいた頃に公開。

結局劇場では見なかったものの、フィリピン移住後にネットでの評判を読み、にわかに見たくなりました。実はこの「アウトレイジ」だけでなく、私にとっての北野さんの映画は、監督作品も俳優としての出演作もいつも気になる存在。印象に残っているものだと「戦場のメリー・クリスマス」「その男、凶暴につき」「HANA-BI」「BROTHER」「座頭市」など。

しかし残念なことに、フィリピンではレンタルDVDもないし、買おうにも日本の映画は一部のアニメ以外は、まず店頭に並んでません。そこで、最近は私の「運び屋」と化しているお友達のYさんにお願いして、日本に一時帰国の時に買ってきてもらいました。

わざわざ日本から持ち帰ってもらったのに、家族で楽しむ...とはいかない内容なので、何となくリビングの本棚に飾ったまま半年ほど経過。

さて、昨年の後半ぐらいから、ネグロス島に英語留学で滞在する日本人の学生さんたちと仲良くなり、週末はいつもテニスしていると先日も投稿しました。朝、テニスして昼食は自宅で一緒に食べるというパターンが多く、その時に学生さんの一人が本棚から目ざとく「アウトレイジ」のパッケージを見つけ出しました。

北野監督にしては珍しく「エンターテイメントに徹した」という作品。やはり学生さんにも人気だったんですね。是非みんなで見ようとなった次第。去年の12月、一作目の「アウトレイジ」を鑑賞した時は、まだ先代メイドのアミーがいました。「日本のヤクザの映画で、残酷なシーンがいっぱいあるよ」と一応警告してアミーも一緒に。

前評判通りの北野式バイオレンス描写が満載の内容。第一回監督作品「その男、凶暴につき」の頃からお馴染みの、実に痛い映像の連続です。アミーは途中で逃げ出すかと思いきや、キャーキャー言いながら最後まで見てしまいました。

「ビヨンド」はかなり間を空けて、二週間ほど前。今度はたまたま遊びに来ていた、家内の親友の娘さん、日本オタクのゼニア嬢が同席。アニメはよく知ってるゼニアも、北野映画は初めてだった模様。英語字幕付きにして、かなり真剣に見てました。

それにしても、選りに選ってなぜこの映画をフィリピンで、しかも若いフィリピーナと一緒に見るか?と言われそうです。まぁ面白かったし、お客さんに楽しんでもらえたので良しとしましょう。でも次は、もうちょっと家族向けで、日本のイメージが良くなる映画を選んだ方がいいかも知れませんね。


2016年7月26日火曜日

南国映画館「スタートレック・ビヨンド」


日本では、10月21日の公開が決まった、スタートレック・シリーズ最新作「スタートレック・ビヨンド」。フィリピンでは、アメリカでの公開と同日の7月22日に上映が始まり、昔からのトレッキー(深みにハマったスタートレック・ファンの俗称)である私は、翌日23日の土曜日、家族で州都バコロドのシネマ・コンプレックスに足を運びました。

息子は、「英才教育」の甲斐あって、立派なチビ・トレッキーに育ち、全シリーズのDVDボックスを、親子で毎日少しづつ鑑賞中。この頃は、息子ではなく家内のために購入した「スタートレック・コンパニオン」(スタートレック・テレビシリーズのエピソードを1話づつ解説した、百科事典のような書籍)の英語版を、ベッドに持ち込んで毎晩読むほど熱が入ってます。



このブログでも、何度も投稿しているスタートレック。移住後に劇場で観るのも、前作「スタートレック・イントゥ・ダークネス」に続いて2回目です。フィリピン移住を思い立った十数年前、すでに私は年季の入ったトレッキーだったのですが、まさかフィリピンに住んで、しかも息子と一緒にスタートレックを観続けているとは。さらには、劇場版の新作をバコロドの映画館で観るとは、まったく想像もできませんでした。

さて、「スタートレック・ビヨンド」の内容。出演者が一新された前々作からはっきりと方針が変わり、アクション主体に。この最新作では、それに磨きがかかった感じです。カーク船長が、バイクに乗って敵地に乗り込むシーンは、すごい迫力。宇宙船による戦闘シーンも、昔のスタートレックからは考えられないような、派手なぶっ壊し方。

ただ、それだけではなく、オリジナル・シリーズで「スポック」を演じ、昨年惜しくも亡くなったレナード・ニモイが、意外な形で登場。これが、実に昔からのファンの気持ちを理解した心憎い演出で、思わずほろっとさせられます。こういうのを見ると、監督をはじめとする新しい製作陣の、旧作への敬意と愛情を感じますね。

それにしても字幕なしというのは、いくらアクションが多くても、私にはイマイチ分からない部分が多かった。日本でDVDが発売されたら、また誰かに買って来てもらわないといけません。




2015年12月24日木曜日

南国映画館「天地創造」


気がつくともうクリスマスイブです。ついこのあいだ12月になったところだと思ってました。熱帯のフィリピンでも、例年この時期は雨が多くなって、日本の年末の寒さには程遠いとは言え扇風機も不要。時には長袖のシャツを羽織りたくなる日もあるのですが、今年はエルニーニョの影響なのか、連日照って30度越え。

しかし待降節も3回目の日曜日が過ぎた12月中旬以降、立て続けの台風もあって急に涼しくなってきました。今朝も昨夜からやや強めの雨で、裏庭には「インスタント池」が。相変わらず極端な天気ですね。

日本人の感覚ではちっともクリスマスっぽくないので、せめて映画でも見て気分を盛り上げようと、昨夜は家族で「天地創造」を鑑賞。ハリウッドで歴史スペクタクルの大作が華やかなりし頃の1966年製作。この映画の原題は「The Bible, in the beginning」そのものズバリの「聖書」。舞台は旧約聖書の冒頭、創世記。神による7日間の天地創造から、アダムとイブのエデン追放、ノアの箱船、バベルの塔、ソドムとゴモラ、アブラハムの物語まで、逃げも捻りもなしに真正面から映像化してます。看板に偽りなしとは、まさにこのこと。

どのエピソードでもお金の掛け方が半端ではない。今だったら全編CGオンパレードになりそうですが、バベルの塔もノアの箱船も原寸大のセットを作って撮影したそうです。箱船に乗せる象も虎もライオンも駝鳥もキリンも...全部生きている本物。これはすごい。日本では同時期の「ベン・ハー」や「十戒」に比べるとやや知名度が低いのは不思議なほどです。

夕食後の8時に見始めて、終わったのは深夜11時。家内は途中で沈没してしまいましたが、ミッションスクールの小学校で聖書のことは詳しく習っているせいか、10歳の息子は最後まで起きてました。メイドのアミーも途中で飽きるかと思いきや、意外なほどの集中力。さすが、ほぼ全員が幼いときから聖書に親しむフィリピン。特にノアの洪水は笑ったり歓声を上げたり。久しぶりに観てみると、映画の中のノアはちょっとコミカルで憎めない好人物でした。

聖書の描写では、さらりと終わってしまう物語も、激しい豪雨に怯えるノアの家族や、不妊に悩み子孫を残すために、止む無く侍女を夫アブラハムに与える妻サラの苦悩、ようやく授かった一人息子のイサクを、神への生贄に捧げるよう命じられた父の絶望の叫び...。映像化すると、そりゃそうなるだろうという場面ですが、やっぱり胸に迫るものがありますね。特にかなり遅めに生まれた息子と一緒に観てると、今までにない感情移入をしてしまいました。


日本人作曲家の黛敏朗さんによる音楽も素晴らしい