2018年12月7日金曜日

通信障害が大ニュース


いやぁ〜、昨日(2018年12月6日)のネット日本語環境では、ソフトバンクの通信障害の話題で持ちきりでしたね。ヤフー・ジャパンのトップニュースにはなるし、フェイスブックやツィッターでも大騒ぎ。ハッシュタグ #SoftBank #通信障害 の乱れ打ち状態。

ソフトバンクの店舗にまで行って、キレまくる客がいたそうで、ネット上でも非難轟々。ネグロス在住の日本人の知り合いに、移住前はソフトバンクで働いていたという人がいます。それでなくてもずいぶん無茶振り客が多く、日本では二度と働きたくないとのこと。昨日は、担当窓口の方々には、さぞお気の毒な状況だったろうと推測します。

普通に考えて、大規模な通信障害なんて、末端社員に喚き散らしたところで、復旧が早まったりする訳がない。人身事故で電車が遅れるのと同様で、怒るだけ無駄というもの。自然災害だと思って諦めて、冷静に代替手段を探すしかありません。

しかも終わってみれば、4時間で復旧したそうな。こうなると、フィリピン慣れ(というかネグロス慣れ?)した私には、同じ日本人であっても、ちょっとマスコミが騒ぎ過ぎちゃうか、と思ってしまいます。

それも、通信手段が全部アウトじゃなくて、合わせて80パーセント近い携帯電話専有率の、ドコモとauは通常通り。ネットの記事を読むと、何やら日本全体の通信網が麻痺してるような印象さえ受けました。

急患や火事といった、正真正銘の緊急事態ならば、数分の障害でも文字通りの致命的なことかも知れないけれど、それ以外で、絶対に当日、その時間でないと取り返しがつかない要件なんて、そんなに多くないでしょう。連絡つかないんだから、翌日なりにスケジュール変更すればいいのに。

日本人は時間に厳しいとか几帳面だと、日本人もそう思ってるし海外からもそう見られている。でも考えてみれば、そういう性癖って、テクノロジーの発展やインフラの整備と相まって、比較的最近、過度に鋭敏化したように思います。今のフィリピンほどではなくても、私が子供の頃って、もう少し大らかだったんじゃないかなぁ。少なくとも、何かの不具合に対して、人前で声を荒げる人は、そんなにいなかった記憶が。

よく言われる「フィリピン時間」。何をするにも、まず1時間は誤差範囲とわきまえないと、ストレスの余り憤死しかねない。キャリア側の問題での通信障害は、あまりに多すぎてニュースにもならない。「電話が通じなくて、仕方ないので昨日は無断欠勤しました」と言って、それでも許されない職場なんて想像しにくい。

我が家はグローブという、PLDT(フィリピン長距離通信)などと並ぶ、フィリピン大手のキャリアと契約してますが、数時間から半日ぐらいネットが繋がらないことは、しょっちゅう。2〜3日ぐらい通じなくなってからじゃないと、苦情を言っても「ちょっと待ってね」で済まされるのがオチ。

ユーザー側もよく分かっていて、それぞれに違うキャリアのSIMカード装備した、安い携帯2台持ちだったり、最初からマルチSIMで2つの番号を持てる端末を持ってたり。新しいSIMカードを買っても何の手続きもいらないし、価格も200円ぐらい。

通信のみならず、電気や水道、ガスにテレビ配信など、フィリピンのインフラはイマイチな分、自前の発電機や、ガロン単位で売ってる飲料水など、代替手段が充実しています。他に選択肢がなくて、それが当然と頼りきってると、マジで死活問題になりかねない。

そういう意味では、何事も「できて当然、あって当然」な環境に慣れ過ぎて、不測の事態への対応力を失った日本は、フィリピンや他の国々に比べると、社会として脆弱なのかも知れませんね。


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