太平洋戦争後、フィリピンに駐留したアメリカ軍が残していったジープを改造したのがそのルーツ。名称はそれに由来。1960年代以降、順当な経済成長があったならば、遠の昔にお払い箱になって、路線バスか路面電車、あるいは鉄道にでも「庶民の足」の座を譲っていたかも知れません。
ところが1965年以降、約20年間のマルコス独裁が災いして、「アジアの優等生」から「アジアの病人」に転落したフィリピン経済。その間は、インフラ整備がほぼ凍結状態。ようやく「剛腕」ドゥテルテ大統領の有無を言うわさぬ強権発動で、マニラ首都圏での各種改革が緒に付いたようで、ジプニーやトライシクルなどの旧態依然たる交通網が、変わり始めました。
とは言っても、まだまだネグロス島のような地方では、その気配すら感じられない。特に私たちの住むシライとバコロド間は、なぜかタクシーの運行も制限されています。誰が決めたのか、メーターを使っての通常の営業走行が不可。
どうしてもタクシーに乗りたければ、比較的朝の早い時間に、近所のガソリンスタンド脇に数台客待ちで停まっている車に、300〜350ペソの言い値で乗るか、グラブ(Grab / カーシェアリング)を利用することに。それ以外は、ジプニーか黄色いセレス(路線バス)しか、選択肢はありません。
今日のバコロド行き、実は私の運転免許の更新のため。しかもうっかりしていて、2ヶ月前に失効してたという情けない理由。さすがに自分で運転する度胸はないので、まずタクシーに乗ろうと、例のガソリンスタンドまで、自宅からトライシクル(オート輪タク)に乗りました。
ところが時間はもう昼前。タクシーは一台もいなくて、仕方なく超久しぶりにクラシックなジプニーに乗車。タイミングが良ければ、多少割高ながら、エアコン付きの車両もあるんですけどね。真夏でもなく雨も降ってないし、まぁいいか。
運賃は、バコロド市内のバスターミナルまで約15〜20分の道程が一人15ペソ。途中、左右にサトウキビの広がる片側3車線の広い道路なので、渋滞はありません。そこから目的の運転免許更新センターがあるロビンソンズ(ショッピングモール)まで、さらに8ペソで別のジプニーに乗り継いで、約10分。自家用車なら15分が、待ち時間込みで40分ぐらいかかりました。
車内は相変わらずのギュウ詰め状態。乗客が多いと言うより、この状態になるまで、運転手が車を出してくれないんですよ。完全歩合制の個別営業なので、これは仕方がありません。ちなみに路線バスもシステムは同じ、だから乗せられるだけ乗せて、猛スピードでぶっとばす運ちゃんも珍しくない。
それにしても、移動手段は半世紀前から代わり映えしなくても、乗客のスマホ率は高いですね。ざっと見渡して半数ぐらいは手元を凝視。(私の家内も含む)道路沿いの立て看板には、「Don't text & drive / ながら携帯運転禁止」の文字が。やっぱりフィリピンでも、それが原因の事故が多い。
車内の様子
少々疲れて、正午過ぎに到着した運転免許更新センター。なのに土曜日は午前中だけの半ドンでした。しまった、もうちょっと調べてくればよかった。せっかくなので、これまた久しぶりにフードコートで食事をして、ダイソーで買い物。ついでに私が大好きなケーキ屋さんにも立ち寄って、帰りは当然タクシー。
アドボ、チキンカレー、春巻きなどを注文
家族3人が満腹して350ペソはリーズナブル
往路は家族全員で100ペソかからなかったけど、帰路はドア・ツー・ドアのエアコン完備で3倍以上の350ペソ(偶然、昼食代金と同額)。フィリピンでは、時間と快適さを買うには、ずいぶん高くつくと改めて実感した1日でした。
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