2015年のピア・ウォルツバックに続き、またもやフィリピン代表のカトリオーナ・グレイ嬢が、ミス・ユニバースの栄冠に輝きました。誇張でもなんでもなく、今日(12/17)は、フィリピン中が祝賀ムードに包まれている感じ。
年末恒例と言えば、日本だと紅白歌合戦なんでしょうけど、フィリピンの場合、テレビの前にみんなが集まるのは、このミス・ユニバース。最近は、ユニバースに限らず、ミスコンに対して批判的な意見を述べる人が増えたようですが、ここフィリピンでは、そんな逆風、どこ吹く風とばかりに、老若男女、満遍なく熱狂するイベント。
小学生の息子は、今日からクリスマス休暇で、車で学校に送っていく必要もなく、私も朝からリラックス。8時には通いのメイド、ライラおばさんがやってきて、いつもの通りに家事を始めたと思ったら、珍しくラジオをつけずにテレビ。そこでようやく、今日がミス・ユニバースの生放送だと気付いた次第。
トップ20、トップ10、トップ3と、だんだん候補者を絞って盛り上げるプログラム。トップ10を過ぎた辺りから、ライラがテレビの前で固まる時間が増えてきて、洗濯物干しの手も滞りがち。トップ3にフィリピン代表が残った時には、もう完全に職務放棄。黄色い歓声を上げ始め、優勝の瞬間には大騒ぎ。一人でもこの有様なので、家族や友達が集まってたら、さぞかし物凄いことになるんでしょう。
早速夜のニュースでは、喜び過ぎて、生まれたばかりの娘にカトリオーナと名付けた親が、インタビューを受けてました。何と分かりやすい人たち。
例えるならば、これに勝てば優勝が決まる試合でリードし、9回裏2アウトまでとった阪神タイガースを応援する虎キチ状態。私はそこまでタイガースを身贔屓はしないけれど、日本に住んでる時は、完全に自分を見失っているファンを、多数目撃してますからね。
それはともかく、ミス・ユニバースでフィリピン代表が優勝するのは、カトリオーナ・グレイで4人目。ワールド、インターナショナル、アースの、ミスコン主要国際4大会全部では、実に15人目のウィナー。ボクシングと並んで、フィリピン人が世界の脚光を浴びる、数少ない檜舞台なので、一般庶民が熱狂するのも分かる気がします。
その背景には、性的な魅力を誇示することに、変な罪悪感や後ろめたさがない、国民性があるように思えます。友達や親戚の、ちょっと短いスカートやショートパンツから伸びた脚線美には「ワォ、レッグス!」と、年配の女性からも率直に賞賛の声が集まる。
バランガイ(町内会みたいなもの)でも、あるいは小学校でもミスコンを開催するし、子供であっても結婚式への出席には、メイクアップもOK。比較的幼い頃から、ジェンダーを意識する機会が多い。日本とは桁違いに、ミスコンを目指す人たちの層が厚いんですよ。
それに加えて私が羨ましく思うのは、ハーフだからフィリピン代表にふさわしくないなんて、アホなことを言う輩が皆無なこと。もともと、マレー系を母体に、中国系やインド系の移民、あるいはかつての宗主国スペインの血も混じった、ハイブリッド国家。今でも国際結婚への抵抗感はまったくと言っていいほどない。
外見も文化的バックグラウンドも、違っていることに誰も違和感を持たないので、美人で魅力的でフィリピン国籍があれば、何も文句はない。今回のカトリオーナは、スコットランド系オーストラリア人とのハーフだし、2015年ミス・ユニバースのピアは、お父さんがドイツ人。私自身も、ハーフの子供を持つ父親なだけに、この環境は本当に素晴らしいと思います。
方や日本では、テニスの全米オープンで、日本人初の優勝を飾った大坂なおみさんや、2015年のミス・ユニバース日本代表の宮本エリアナさんへ、一部からまったく見当外れの、ハーフへの偏見に基づく批判があったのは、日本人として誠に恥ずかしい限り。
ということで、いろいろと思うところがあったミス・ユニバース。今日は急遽予定を変更して、フィリピン代表の優勝についての投稿をお届けしました。
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