このツアーでは、ただスラムでの生活を体験するだけではなく、他の地域で食料配給に協力したり、各所帯で実態を知るためにインタビューをしたり。
3泊4日の3日目の午後、2グループに分かれてインタビューに臨みました。平日の昼間だったので、訪れたのはどこもお母さんと子供がいる家。最初は、4人目の赤ちゃんが生まれたところという若い奥さん。狭い一間の家で、なんとなく疲れた表情でしたが、それでも快く初対面の外国人の不躾な質問に答えてくれました。
フィリピンでは英語が公用語とは言え、スラム住人は教育機会に恵まれず、英語ができない人が多い。この奥さんもそうだったので、英語が堪能な地元の世話役の女性に通訳をお願いしてのインタビュー。
いろいろ話しているうちに、旦那さんとか奥さんとか呼んでいるものの、実はちゃんと入籍しているカップルの方が少ないことが分かりました。役所に登録する手数料が払えない。なので、本当は夫婦ではなく、「パートナー」なんだそうです。ただ日本と違って、家が基本の戸籍ではなく個人登録なので、生まれた子供は私生児のような扱いにはならないらしい。
私が一番知りたかったのは、子供の数は意図したものなのかどうか? 成り行きで次々と妊娠してしまっている印象があったのですが、お母さんに聞くと計画はしているとのこと。4人で十分なので、これでお終い。お医者さんとも相談して、これ以上は、生まない。若干疑問は残りましたが…。
今一番の悩みごとは?と聞いてみると、他の家庭でも判で押したように「経済的な問題」。月収が2〜4000ペソ(5000〜10000円)ぐらいで、家族4人、5人あるいはそれ以上を養っているので、いくら物価が安いフィリピンでもこれは、大変でしょう。当然、借金のことも気になるようです。
そこで最後に「あなたは今、幸せですか?」と聞いてみました。
もう間髪置かず「幸せ? 当ったり前でしょ!」理由はこれまた同じで「だって、子供がいるじゃない。」そ〜か〜。だからみんな貧乏暮らしでも笑ってるんや。
このスラムに限らず、フィリピンでは子供が多い。中には物乞いをしたり、交差点の信号待ちの車にタバコや新聞売ったりしてる子供もいますが、道端で見かけるのは大抵、顔中で笑いながら遊んでいる元気な子供たち。
年間3万人もの自殺者を出している日本で、もし同じ質問をしたらどんな答が返ってくるでしょう? 子供がいても家族がいても、育児や職場の人間関係で悩んでいて、ここまでストレートに「幸せです。」とはならない気がします。
最終日に行った別のスラムで、チョコレート粥の配給をしました。
これは、地元のキリスト教会の奉仕で、今回のツアーの代金の一部も資金になっている活動です。粥ができると、子供達が出て来る出て来る。めいめいに持って来た器にカップ一杯分を配給していくのですが、みんな本当に嬉しそうで、なんだかこっちまで幸せな気分になりました。
チョコレート粥 配給中
配給前のお話担当のお姉さん
どこかで見た顔だと思ったら、トトロの「ネコバス」に似てた
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