2年前(2015年)の息子の宿題で、タガログ語で自分の父親のことを書いた作文が見つかりました。私が自分でフェイスブックに投稿していて、それをすっかり忘れていただけのこと。そもそもタガログ語なので、読んだって分からないから、アップだけして放置していたんでしょうね。
しばらく前に、同じく小学校の宿題で、親から子供への手紙を書かされたばかり。向こうからこちらはどう見ているのかと、興味が湧いたので、グーグル先生にお願いして翻訳してもらいました。ただし、直接タガログから日本語だと、実に変な訳文になるので、一旦英語にして自分で日本語に書き直し。
僕のパパは最高
僕のパパはフランシス(私の洗礼名、フィリピンでの通り名)。京都市立芸術大学でデザインを専攻しました。工業デザイナーになり、エレベーターや産業用ロボット、携帯電話にテレビのデザインをしました。
それからパパは早期退職して、僕たちはここフィリピンのお家に引っ越ししました。絵を描いたり本を読んだりしています。スタートレックやアニメのDVDを見るのが大好きです。
パパは料理も大好きで、毎日僕のお弁当と晩ご飯を作ってくれます。僕はパパが作るカレーライス、オムレツ(オムライスのこと?)、ラーメンにスパゲティが大好きです。パパは最高のコックです!
こちらが原文。
Da Best ang Tatay Ko
Ang aking tatay ay si Francis Nakamura. Sya ay nagtapos ng kursong disenyo sa Kyoto City University of Arts. Siya ay dating industrial designer. Nag disenyo sya ng mga elevators, robots, cellphones at telebisyon.
Sya ay nag retire ng maaga sa trabaho at kami ay umuwi na dito sa Pilipinas upang dito na manirahan. Magaling syang gumuhit at mahilig magbasa ng aklat. Hilig nya rin kagaya ko ang manood ng DVD ng Star Trek at mga anime.
Masarap magluto ang tatay ko. Araw-araw ay nagluluto sya ng aking lunch. Sya din ang nagluluto sa gabi. Paborito ko ang kanyang curry rice, omelette, ramen at mga pasta. The best magluto ang the best kong tatay!
料理のことは、多分書いてるだろうなとは思ってましたが、卒業した学校の正式名称や、勤め人時代に担当した商品分野のことなど、息子に面と向かって喋ったことはないはず。お客さんと話していた内容を、側で聞いて覚えていたんでしょう。
それにしても、意外に細かいことを見てるもんだと感心しました。早期退職のこともちゃんと理解してるようだし、パソコンでイラストを描いたりしてるのも分かっています。フィリピン暮らしとは言え、メンタリティは日本人の父子。それほど毎日会話をするわけでもない。やっぱり背中を見られてるのか。
振り返って、自分が小学生の頃、父親をどんな風に見てたでしょう。これがほとんど記憶にないんですよ。今の私と息子どころか、おそらく1年間で数分ぐらいしか会話がなかった、私と父。今なら立派なコミュ障と言われるかも。早朝から深夜まで仕事だったし、日曜日は寝てる。その上、家では私とだけでなく、家族の誰ともほとんど話さない変人でした。
それでも、誕生日のプレゼントとかはちゃんと貰ったので、愛情がなかったわけでもない。ただ、表現する手段を知らなかっただけなんでしょうね。その点、フィリピン人の家内とその父親(私にとっては義父)は、もう娘が50歳を過ぎていても、実に細やかな愛情表現。たまに我が家に遊びに来ても、よく喋ってるし。
フィリピン人親子には遠く及ばないけれど、私の父に比べれば、言語・非言語を問わず、息子とのコミュニケーションは、そこそこできているのかも知れませんね。息子が大人になって私がいなくなってから、息子の頭には、どんな父親像が残っているのでしょうか。
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