2019年2月25日月曜日

新郎新婦はウェディング・プランナー

この週末、またもや大金持ち家族の結婚式に出席しました。
家内がフィリピン大学ビサヤ校で、研究員をやっていた頃のつながりで、同校の大学教授だった父親と、大地主にして実業家の母親、その長男ヨハンの結婚式に招待された次第。

このイングレス・ファミリー。私も家内と一緒になってからは、友達付き合いをさせてもらっていて、今住んでいる家を設計した時、日本から建築家の方に来てもらって参考に家を見せてもらったこともあります。一昨年のフランチェスカ(奥さん)の還暦祝いパーティにも招かれて、その時は、私から似顔絵を贈りました。

さて、今回結婚するお二人。聞くところによると、新婦さんはウェディング・プランニング会社のオーナー経営者。そしてヨハンはそこを手伝っているビジネス・パートナー。つまり、二人とも結婚祝いの専門家なので、やっぱり式も披露宴も超ハイレベル。

まず、式場となった教会がすごい。ネグロスの隣島パナイの中心地、イロイロ市内にあるモロ教会。ここはスペイン統治時代の典型的な石造りのカセドラル。ただ大きくて古く格式があるだけでなく、珍しいことに全館冷房完備の大聖堂。以前にやはり結婚式を執り行った大金持ちが、そのために冷房設備を寄付したとのこと。フィリピンの富豪って、桁違いですね。










可愛いフラワーガール



お祝いでも菊の花を使うフィリピン


さらに結婚ミサを執り行ったのは、ビショップ(司教)。一つの教会だけでなく、一地方の教区全体の総責任者。日本のカトリックでは、大阪教区とか京都教区などの全部で16あって、特に信徒数が多い東京・大阪・長崎には「大司教区」が置かれています。

ミサそのものは、特別な内容があるわけではないけれど、聖歌隊が感動レベル。男性10名、女性6名、これに指揮者がついたクラシックスタイルの堂々たる混声四部合唱。元々歌に関しては裾野が広いフィリピン。ちょっとしたチャペルの聖歌隊でも、なかなかだったりするぐらいなので、本格的な訓練を受けたプロの歌手はどんだけすごいか。


テノールが独唱した主の祈りなんて、まず素人では歌えない、音域の広いメロディを、切々を歌い上げるもんだから、毎週聴いて自分で歌っている祈りなのに、ちょっと泣きそうになるぐらいの出来栄え。伴奏のピアノも素晴らしい。

続く披露宴は、市内を流れるイロイロ川に面したパーティ・スペース。歌手が二人にバイオリニスト、パーカッションとキーボード担当のミュージシャン、さらにダンサー5人を贅沢に配し、もうそれだけで、十分にお金が取れるディナーショー。








最近では日本でもおなじみの、新郎新婦の馴れ初めや家族・友人からのメッセージをまとめたムービーも、度外れた凝りよう。なんとわざわざ二人のプロモーションビデオを撮影するためにニューヨーク・ロケ。どこまで金持ちやねん。

専属のデザイナーもいるようで、二人の頭文字 J (Johan ヨハン)と A (Aiza アイザ)をあしらったロゴマークを作り、映像のトップや、出席者に無料配布する二人のブロマイドに使ったり。招待状もレターではなく、この結婚式専用に作られたウェッブサイトにログインするための、パスワードを送ってくるというスマートさ。


披露宴の最後には、ほんの数時間前の式の様子を、BGMはもちろん、各種のエフェクトを動員した、映像作品に仕上げて見せてくれました。最近は、パソコンで昔のプロ並みの動画編集ができるアプリも出回っていて、私も素人ながら、そこそこは使ったりもしますが、編集後の最終形をイメージしながら、本物のプロが撮影した素材なので、とても真似ができないレベル。

今までも、式場の飾り付けが豪華だとか、ゲストの数が桁外れに多い、なんてことは感心させられたフィリピンの富裕層。いよいよフィリピンでも、ハードウェアや人件費だけではなく、ソフトの質を追求する時代に入ってきたようです。


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