2019年2月27日水曜日

ゲストハウス / 申請図面ができました


一応、2019年内の竣工を目指している、裏庭に建設予定のゲストハウス。先日発注した、市役所への建設許可申請用の図面が、早くも完成しました。

発注先は設計事務所ではなく個人。それも市役所勤務の、許可を受け付ける側にいる現役スタッフが、アルバイトでやっているような人。これって職業倫理的にどうなんですかね? まぁ申請が通らないことは絶対ないので、安心と言えば安心なんですが、日本ではちょっと考えられない。

このスタッフの名前がルイ。名前だけはフランスの王様っぽいけれど、そんな優雅さは皆無で、近所では「酔っ払いのルイ」で通ってる、ごく庶民的なオっちゃん。7年前に、母屋の申請図面も頼みました。納期は守るし、ボったりすることもない。私が見る限り図面も問題なく描いてくれます。

久しぶりに会ったルイ、ずいぶんと太ったなぁ。以前は中肉中背で長髪。1970年代の日本のフォーク歌手か、みたいな風体でした。それがタバコを止めた途端に太りだしたんだそうな。変な病気とかじゃないらしいので、それはそれでいいかも知れません。

特筆すべきは、出てきた図面がオートCAD描画。やっとネグロスでも、そういう時代になりましたね。今更説明するまでもなく、CADとは、Computer Aided Designのこと。要するにパソコンのアプリで図面を描いて、それをプリントアウトしたもの。

実は私、このCADが日本で普及し始めた1980年代に、某家電メーカーで製品開発の仕事をしておりました。まさに企業へのCAD導入最前線。当時はシステム全体で数千万円の時代。当然専用機で、パソコン自体が一般に普及しておらず、メインフレームとか呼ばれた、馬鹿デカい専用マシンが必要でした。

最初は図面だけだったのが、1990年代に入ったころから3次元データも扱い始め、そのシステム導入も担当したので、結局私が手描きで図面を描いたのは、新人デザイナーだった、ほんの1年ぐらいの期間。その後アイデアスケッチもパソコンになって、今ではイラストを手描きしようにも、手先が震えて思ったような線が描けません。

私の昔話はともかく、ネグロスでここまで来るのに、30年遅れ。もちろんマニラのオフィスなどでは、もう少し早くにOA / Office Automation 化(という言葉も死語ですな)してたんでしょうけど。

単に手が汚れないだけでなく、変更・修正が早いのが大助かり。こういう仕事の常として、クライアントからの要望で、何度も直しが入るもの。その対応が何倍もスピードアップするし、できたものはフェイスブックのメッセンジャーでも送れて、すぐに確認ができる。

A4縮小印刷も、自宅のプリンターでOK。いちいち隣街のバコロドまで行く必要もありません。ほんの数年しか経ってないのに、何だか隔世の感がありますね。フィリピンでの携帯電話の普及と同様に、日本で要した時間の何十分の一の間に、いきなりインフラがジャンプアップ。


と、図面がキレイで早いだけなら、めでたしめでたしで終わるところが、やっぱり地元の専門家なので、費用の話も出てきます。床面積が約80平米で、100万ペソ(二百数十万円)ぐらいかとタカをくくってたら、ガレージも込みだと100平米以上だから、200万ペソ近くになるとの見積もり。

これは建築業者に丸投げしたら、そう見積もるだろうということで、カミさんも「食べ物買うお金が、なくなっちゃう」と子供みたいな言い方で猛抗議。そこまでカツカツの予算じゃないってば。この金額なら銀行口座には余裕があるって、あなたも知ってるでしょ?

とは言っても、ちょっとでも安くするには、やっぱり自分でフォアマン(現場監督)するしかなさそうだと、腹を括りました。プロセスを全部見て、ここは安い部材でも大丈夫とか、ここだけは手を抜かずとメリハリつけて、冗費の削減をしなければ。

そんな経緯で、最初の関門はあっさり通過し、いよいよこれからが難問の大工さん集め。何しろ景気がいいもんだから、大型の商業施設だけでなく、一般住宅も新築ラッシュのシライ界隈。ちょうどすぐ隣でも家を建ててる真っ最中。

今住んでいる家を建ててくれた、大工にして溶接工のアントニオくんや、配線工のサルディーなど、信頼できる職人さんの再結集ができるかどうかが、早期着工の鍵ですね。


1 件のコメント:

  1. いつも、楽しく拝見させて頂いております。

    現在は、名古屋市在住ですが、縁が有りまして、バコロドの女性と結婚しまして、この度、バコロドに家を建てる事になりました。

    暫くは、名古屋での仕事が有りますので、名古屋とバコロドを行ったり来たりの生活になります。

    記事の更新、楽しみにしております。

    また、御邪魔させて頂きます。

    また、御邪魔させて頂きます。

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