2014年10月26日日曜日

隣人たち〜フィリピンの住宅〜

フィリピンの一般の住宅と言われても、この国に縁のない人にはピンとこないでしょう。かく言う私も、30歳過ぎてから仕事で初めてフィリピンに来るまでは、椰子の葉っぱと竹で作った家が並んでるのかと、漠然と想像してました。

実際、貧しい人たちが不法占拠してかたまって住んでいるスクワッター・エリア、いわゆるスラムに行くと、そういう家も珍しくはないですが、中流以上の一般の人たちは、大抵鉄筋コンクリートの家に住んでいます。と一口に言っても、それこそピンからキリまでいろいろ。

古い家屋だと木造のものもあります。私の住むシライ市内で木造と言えば、ニッパ・ハウスか、市が指定して保存しているスペイン統治時代の頃の文化財かという極端な2分類になってしまいます。やはりシロアリの害がひどいので、中途半端に作った木造家屋は、すぐダメになってしまうらしい。


シライの数少ない観光名所の一つ
築100年以上の木造建築「バライ・ネグレンセ」



ビレッジの外れに建つ、竹と椰子で作ったツリー・ハウス
これは違う意味で住んでみたい


では、鉄筋コンクリートの家とは、どんな感じでしょうか?
例として、私の住むビレッジ(周囲を壁で囲まれ、ゲートには24時間体制で警備員が常駐している住宅地)内のお宅をいくつか紹介します。

同じビレッジでも場所によって様々で、比較的最初の頃に分譲された所では、1区画 300平米が最低2区画以上の一括購入が必要。結果的にお金に余裕のある人しか買えず、投資目的が多く、分譲開始から10年以上経った今でも、まだ疎らにしか家が建っていません。そして建っている家はとても豪奢なものばかりです。

一番最近の、着工から1年以上経っているのにまだ建設中の家がこれ。オーナーは船の船長さんだそうで、一体どんだけお金をかけるつもりか?というほど凝りに凝った家です。母屋はほぼ完成して、今はプールやフェンスを作っているところ。家というよりお屋敷ですね。







その他で派手なのは、この青い塗装の家。オーナーはイスラム教徒。家も庭もでっかくて、その広い庭では土曜の夜になるとガーデン・カラオケパーティが催されます。これが悲しくなるほどヘタで、一旦始まってしまうと、この家の方向に向いた窓は全部閉めないといけません。



ごちゃごちゃと飾りっ気の多い家の中にあって、比較的すっきりして、一見日本の一戸建て風なのが、私の家のお向かいさん。オーナーは以前日本で働いていて、日本人と結婚したというフィリピン人の奥さん。でももう、その出資者である日本人の旦那さんは亡くなったようです。ちょっと怖くて、詳しい事情は聞けないですけど。



表向きはフィリピン人名義でないと土地は購入できないのですが、実際に支払っているのは、持ち主の外国人の夫というパターンが多い。近所で特に目立っているのが、この二軒。隣同士で、両方アメリカ人が建てたそうでうす。噂では両家の仲は悪いとのこと...。




こうして、ざっと眺めて見ると、なんとなくスペイン風な感じがしますね。やはり旧宗主国の影響があるのと、温暖な地中海沿岸のスタイルを持ってきても、あまり違和感がないからでしょうか?

ちなみに気になるお値段はというと、一番豪華な船長さんの家で2000万ペソだとか。日本円で5000万程度。日本でこれ建てたら、上物だけでも何億円かかることやら。


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