2016年8月7日日曜日

市長も裁判官も容赦なし 豪腕ドゥテルテ


出典:Pinoy News

これは驚きました。
すでに、日本語の記事でも伝えられているように、フィリピンのドゥテルテ大統領は、8月7日未明、テレビ放送を通じて、麻薬関与の容疑者として、市長、議員、裁判官、警官、兵士などの実名リストを公表しました。(AFPは160名以上となっていますが、現地新聞 Inquirer 報道の名簿では156名)

政治家で名前を挙げられているのは、首都マニラのあるルソン、ミンダナオが多いものの、ネグロス島が属するビサヤ地方でも、現職・前職含めて14名の市長が名指し。ネグロスの隣島、パナイ島イロイロ州の州都で、家内の友達が多く住むイロイロ市長のジェッド・マビログ氏(Jed Mabilog)も容疑者とされています。マビログ市長は、すぐにこれを否定

それ以外では、観光地として有名なセブ市の前市長や、私の住む西ネグロスに隣接する、東ネグロスのバサイ市の市長も。

日本人の感覚からすると、晴天の霹靂とでも言うしかない話。しかしフィリピン人の家内に聞くと、地元住民の間では、公職にある者が麻薬に関係しているは、公然の秘密。噂レベルでは知られていても、報復を恐れて誰も糾弾しないし、警察も動かない。警官や地方の裁判官がグルだったりするので、手の出しようがないらしい。

当然のことながら、フィリピン内外の人権団体は、ドゥテルテ大統領の強引なやり方を非難し警告。すでに大統領就任前後から、裁判もなしに麻薬犯罪の容疑者が大勢射殺され、その数400名とも800名とも言われています。これでは冤罪は避けられないし、今回公表されたリストも誤認がある可能性も。(そもそもフィリピンの刑法では、死刑はありません。)

それでも私の知る限り、ドゥテルテは依然として国民の高い支持を得ています。もっと言うならば、これこそ彼に投票した選挙民の望んでいたことで、ダバオ市長時代にやったことを、国政レベルで再現しているだけ。見方を変えれば、フィリピンの麻薬犯罪は、政治家・警官などの権力層に、骨がらみに染み付いた宿痾であって、もはや劇薬を使った荒療治しか、解決方がないということか。

正直に言って、多少はフィリピンを分かったつもりだった私も、新大統領が就任1か月で、まさかここまでやるとは思いませんでした。しかし、所詮は居候外国人の私。ドゥテルテのやり方を批判する気にはなれません。




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