出典:Rappier
近代オリンピックで、今までフィリピンの選手が獲得したメダルの数って、どれぐらいかご存知でしょうか? 多分、ほとんどの日本人(フィリピン人ですら)は、まったく知らないと思います。私が初めてフィリピンに来た1995年以降で記憶にあるのは、1996年のアトランタ大会での、ボクシングの銀メダルだけ。
先日始まったリオデジャネイロ五輪。早々にフィリピン選手の快挙の報がもたらされました。重量挙げ53キロ級で、フィリピン・ミンダナオ出身のヒディリン・ディアス(Hidilyn Diaz)嬢が、銀メダルを獲得。フィリピンでは、テレビでもフェイスブックでも、新しいナショナルヒーロー誕生とばかりに大騒ぎです。
フィリピーナ(フィリピン女性)で初めて、フィリピン重量挙げで初めて、そしてミンダナオ島出身者で初めての五輪メダリスト。最初の質問の答えですが、前回ロンドン大会までの夏のオリンピックでは、銀が2個、銅が7個の合計9個が、1924年以来のメダル獲得数。半分以上の5個がボクシング、その他の競技では、水泳と陸上で2個づつ。
ディアスの銀は、記念すべきフィリピン10個目のメダル。この功績で、彼女には500万ペソ(約1200万円)の報奨金と住宅が、フィリピン政府より贈られることが決まったそうです。
スポーツに限らず、世界レベルでの活躍の場がそれほど多くないフィリピン。話題になるのは、ボクシングとビューティ・コンテストぐらいしか思い浮かばない。そういう環境なので、一度でも世界の脚光を浴びると、あっという間に国民的アイドルになります。1996年の銀メダリストの名前を、20年経った今でも家内は覚えてたぐらい。(マンスエト・ベラスコ選手)
日本では、銅メダル獲っても喜べない選手がいるなんて、フィリピン人が聞いたら怒るでしょうね。古い話ですが、前回の東京オリンピック(1964)でマラソンで銅メダルの円谷幸吉選手が、その次のメキシコ大会前に、27歳で自殺したことを思い出してしまいました。
それにしても、ボクシング世界チャンピオンのパッキャオ選手や、ダバオ市長から大統領になったドゥテルテと、このところミンダナオ所縁の人物の活躍が目立ちます。貧困が社会問題になって久しいフィリピンでも、特に貧しいとされるミンダナオ。そういう地域から、どんな分野にせよ、希望の星が輩出されるのは、本当に嬉しいことです。
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