出典:Notey
早いもので、ドゥテルテ氏がフィリピンの大統領に就任してから、1カ月が経過しました。マスコミの注目度は極めて高く、ゴールデンタイムのニュースで、新大統領の顔を見ない日はありません。
特に目を引く話題は、やはり麻薬組織との対決。もう就任前から密売人の自首が相次ぐという、まるで映画のような展開。そして大統領が奨励した(と信じられている)通り、麻薬密売の容疑者が、もう何百人も射殺されているそうです。
フィリピンでは、ただの外国人に過ぎない私でも、ドゥテルテの活躍には快哉を叫びたくなるものの、ここまでやってしまうと、暗殺されてしまうんじゃないかという心配も。実際、今年1月、メキシコの首都メキシコ・シティで、麻薬撲滅を訴えた新市長が就任の翌日に殺されるという事件があったばかり。
しかし、こういう派手なことよりも、私が本当にすごいと思ったのは、今日8月1日から始まった、911番(日本の110番や119番に相当)緊急通報ダイヤルの開設。日本人の感覚からすると、今までなかったの?と思いますが、驚くことに、なかったんですよ。事故や火事、急患の場合がどうしてたかと言うと、最寄りの警察署、消防署、救急病院の番号を控えておいて、そこに直接ダイヤル。
ところが、どの部署にも専門の対応窓口がないらしく、なかなか繋がらなし、繋がっても「担当が違う」とたらい回し。迅速な対応ができてたら、助かったかも知れない命は数知れず。私も3年前、食中毒で入院した時など、最初から電話して救急車の到着を待つなんてことはせず、深夜に車を所有している義弟に頼んで、近くの病院まで運んでもらいました。
実は、ドゥテルテ氏がダバオ市長だった頃に、地域限定とはいえ、すでに991番を導入した実績があるんだそうです。その他にも喫煙場所の厳格な制限とか、爆竹の禁止(毎年、クリスマスや正月に爆竹を多用するフィリピンでは、事故による怪我人や死者が絶えない)など、他国では当たり前なのに、フィリピンではできていない事を、徹底してきました。
それにしても、いくら市長時代に経験があっても、就任1カ月で全国レベルでの新システム導入には恐れ入ります。それだけでなく、「国に文句があったら電話しろ」とでも言うべき「8888番ダイヤル」も同時開設。早速、家内に頼んで電話してもらいました。去年の10月に更新を申請した運転免許がまだ交付されないとクレーム。
案の定、初日はダイヤルが殺到して、何度か掛けてみましたが「話し中」。ニュースによると、文句を言うためより、お試しで通話した人が多かったそうです。
ド派手なことから地味な取り組みまで本気度全開で、現在支持率は91パーセント。「フィリピンのトランプ」とか「ダーティ・ハリー」とか、いろいろ言われているドゥテルテ大統領。このまま改革が進めば、独裁的とも思える強権を振るって、国力を飛躍的に拡大した、シンガポールのリー・クワンユーや、マレーシアのマハティールに匹敵する、偉大な政治家として歴史に名を残すかも知れません。
ダイヤル991、8888の現場の状況を伝える
ABS-CBNのニュース映像
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