2018年4月20日金曜日

2000円・20ドル・20ペソ


理由はよく分かりませんが、日本の貨幣・紙幣って、1・10・50・100・500・1000・5000・10000 と、きれいに頭の数字が1と5に統一されています。私が物心ついた時には、すでにこうなってました。紙幣のグラフィックデザインを別にすれば、大きな変化というと、100円と500円が、紙幣から貨幣に変わったというぐらい。

ところが1999年、当時の総理大臣だった小渕恵三さんが、翌年の西暦2000年に因んで、2000円札を発行しよう、とぶち上げました。もう30をいくつか過ぎた私には、いささか唐突な印象だったのを覚えています。一般の人たちも反応もイマイチで、盛り上がりに欠けてました。

紙幣そのものには、色々と新しいことが試されていて、各種の偽造防止技術が採用されたり、現在流通している紙幣では唯一、表面に人物の肖像画を配さず、沖縄にある首里城の守礼門、裏には源氏物語絵巻の一部と紫式部。ずいぶんと目新しい感じが。



でも、取り立てて用途がはっきりしているとか、実用的な理由があったわけでもなく、自動販売機で受け付けないこともあって、案の定ほとんど流通せず、2003年以降の新規製造はストップ。ただ沖縄県だけは例外で、国内全流通量の1億枚のうち、4割が沖縄県内で使われているそうです。

これに対して、アメリカの20ドル紙幣(約2000円)は、全米で一番よく出回っている。何故かというと、その上の50ドルや100ドルは、高額紙幣ということで、偽札を掴まされるのを恐れ、使える場所が限られてしまうから。もう20年ほど前ですが、私が3ヶ月ほど仕事でアメリカに滞在した時に、これを実感しました。タクシーなんて、50ドル札ですら嫌な顔をされて、仕方なくクレジットカードで払ったり、コンビニに併設されたATMでお金をおろすと、20ドルばかりで札束状態になったり。

では、フィリピンではどうかと言いますと、20ペソ紙幣(約40円)をよく見ます。トライシクル(輪タク)やジプニー(乗り合いバス)での支払いにちょうどいい額だし、カトリック信徒として便利なのは、日曜日のミサの献金。一応お札なので、コインを「ちゃりん」と言わせるよりも見栄えがいい感じ。

特に月収が5000ペソ程度で生活しているような人々にとっては、一番使い勝手がいいようです。80ペソのお釣りで20ペソ札4枚という、意表を突いた返し技も。大抵は、本当に使い込まれてボロボロ。札入れなんて持たずに、コインと一緒にグチャっとポケットに突っ込んでる。我が家のメイドのネルジーもこのスタイルなので、最近お使いを頼む時は、使い古しの財布を貸し出し。

さらにフィリピンでは、200ペソ紙幣もある。ところがこちらは、日本の2000円札と同様の仕打ちを受けています。元々、自動販売機なんて滅多にないお国柄なので、単に額が中途半端で、貧困層からすれば、100ペソまでで十分なのか。2000円と同様、そうそうに手にすることはありません。たまにお釣りで貰ったら、何かいいことあるかも?と言われるほど。


戦前や終戦直後辺りまでは、日本でも2銭、20銭、2円、20円などの貨幣・紙幣があったとのこと。当時はそれなりに、生活での金銭感覚に即したものだったのかも知れません。私が覚えている限り、小学生の頃の100円札が、今のフィリピンでの20ペソ札に近い感じかなぁ?



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