2018年4月18日水曜日
バコロド・エコノミック・ハイウェイ
昨年(2017年)から建設が始まった、バコロド・エコノミック・ハイウェイ。これは、フィリピン政府から資金援助を受けたもので、地元紙サンスター・バコロドによると、単独プロジェクトとしては、バコロド史上最大規模なんだそうです。
マニラ首都圏やセブ周辺に比べると、感覚的には5〜10年ぐらいのタイムラグがあるものの、近年好調のフィリピン経済の波は、ここネグロス島の西半分の中心地、バコロドまで確実に到達。巨大商業施設やら、コンドミニアムやら、建設ラッシュに沸いています。
先日投稿したように、こんな田舎街のシライにまでショッピングモールのガイサノが進出してくるご時世。そんな経済成長にはつきものの交通渋滞も、バコロド市街地では、かなりひどくなってきました。もちろん、末期的症状のマニラのそれと比べると、まだまだ可愛いものでも、地元民にとっては深刻な問題。
四国よりもやや小さいぐらいのネグロス島。ほんの一部で使われている、サトウキビ運搬用の蒸気機関車路線はあっても、旅客鉄道は皆無。バスやジプニー、自家用車など、一般道路だけが交通ネットワークです。
バコロド近辺では、ラクソン通りが、市外〜市内を結ぶ、ほぼ唯一の幹線道路。それも途中で各種店舗が密集する商業エリアを通り抜けるため、ジプニーや自家用車の路上駐車が多い上に、バスもトラックも全部この道に集中してしまいます。裏道はあるにはあっても、こちらは生活道路と重なっている箇所が多い。本当に路肩で貧しい人々生活していて、露店がはみ出したり、子供の遊び場になってたりのカオス状態。
バコロド市内が目的地ではない、サトウキビ・建築資材などを積んだトラックや、市外から温泉リゾートのあるマンブカルへ行く車までが、この混乱した中へ突っ込むしか、他に方法がありません。そりゃ、渋滞がひどくなるのも無理はないでしょう。
ラクソン通り以外の幹線道路には、5年前に完成した、シライ市内にある空港からバコロド市内への空港〜バコロドのバイパスがあります。韓国のODA(政府開発援助)によるこの道路。最近では追加工事も進んで、両側4車線の、数少ない高速道路と呼べる体裁。(厳密には日本で言う高速道路ではなく、高架でもないし、時々牛が歩いていたりします)
しかし、このバイパスも中途半端。それほど混雑のないシライ市やタリサイ市を迂回するだけでの代物。せっかくここまで作るのなら、バコロドの南側の街、バゴ市やカバンカラン市から空港へ直接通じる道にすれば、バコロド市内の渋滞緩和に役立ったのに。
と考えるのは、やっぱり私だけではなかったらしい。2009年から構想があったという、バコロド市街地を大きく迂回するバイパス道路の建設。8年目の2017年に、ようやく着工したわけです。
このバコロド・エコノミック・ハイウェイ。ネット上の記事では、総工費は48億ペソで全長21.8キロとあります。例によって完成時期はよく分かりませんが、一応順調に工事は進んでいるようなので、来年ぐらいには出来上がるんでしょうか? 空港バイパスと同じく両側4車線で、途中3つの川に架橋し、自転車専用レーンも設けるとあります。
正直に言って、これ以上ショッピングモールはいらなし、コンドミニアムも今建設中のもので十分過ぎる。それよりも、今回のような道路整備にお金を注ぎ込む方が、後々のことを考えるとはるかに大事。本当なら自動車の代替交通手段、路面電車とか地下鉄が必要なんでしょうけど、それはまだまだ難しい。
まぁ、最近は、重い腰を上げてラクソン通り沿いに、大雨時の道路冠水を防ぐ排水設備を作ったり、レーンを拡張したりと、ようやくまともなインフラ整備が進んでいます。注文をつければキリがないし、そもそも住まわせてもらっている外国人からすれば、賞賛の拍手を送るべきところなんでしょうね。
ラベル:
住環境
場所:
フィリピン バコロド市
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