2015年7月22日水曜日

黄色い棺桶 セレス・バス

フィリピンの運転マナーの無茶振りは以前にも投稿しました。ウィンカー点けずに右左折・進路変更は日常茶飯事で、スピード狂のドライバーも多い。運転マナーがなってないことで有名な大阪近辺ですら、ここまではひどくないでしょう。

そして一番怖いのは路線バスのセレス。比較的最近普及し始めた中国製の黄色いボディがトレードマーク。昔に比べると車体はきれいなったのですが、運転の酷さはまったく変わってないようです。家内などはこのバスを「黄色い棺桶」と呼んでます。

セレス絡みの事故は、軽微なものは何度となく実際に目撃してます。自家用車を購入前には、隣街からの帰りにセレスに乗って、あわや事故に巻き込まれそうにもなりました。その時は偶然一番前の見晴らしのいい席。いつものように満員の客を乗せて100キロぐらいでぶっ飛ばしてました。

シライ市内に入ろうというところで、何を思ったのか対向車線から一台のトライシクルがUターンしてバスの前に割り込み。運転手が急ブレーキかけて間一髪のところでバスは止まりましたが、私はもう少しで前に飛ばされて、フロントグラスに頭をぶつけるところでした。ああいう時は、見ている景色がまるでスローモーションのように記憶に残るんですね。今でも輪タクの後部座席に乗ってたオバちゃんの表情が恐怖に凍りつくのを、鮮明に覚えています。

さてこの「黄色い棺桶」。今朝の地元ラジオ局が伝えたところによると、自宅近くの幹線道路で、セレス同士が正面衝突する事故を起こしました。合わせて4名が亡くなり40名以上が負傷したとのこと。事故現場は、私が週末テニスをする時にいつも使う直線路。周囲360度が全部サトウキビ畑なので、これ以上はないというほど見通しのいい場所。
報道で詳細は分かりませんが、事故のあった時間帯は久しぶりの土砂降り。恐らく視界が悪いのに無理な追い越しをしたのではないかと思います。



日本の路線バスと違って、こちらではバスの運転手と車掌の報酬は歩合制。つまりできるだけたくさん客を乗せて、できるだけ速く目的地に着けば、その分身入りが良くなる。なので、同じ目的地に向かうバス同士が、競走して抜きつ抜かれつというのをよく見ます。

噂によると夜間走る時は覚醒剤(フィリピンでは「シャブ」という言葉がそのまま通じます)を常用する運転手もいる。これでは家内でなくても「棺桶」と呼ぶのも分かります。

フィリピンで免許を取って早2年。どうも周りに影響されて運転が乱暴になっている私ですが、これを教訓に挑発に乗らない冷静な走りを心掛けましょう。


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