2015年7月30日木曜日

出刃庖丁の切れ味

海に面したフィリピン・シライの街。市場にはその日に水揚げされた新鮮な魚介類が並び、我が家には数日おきに魚の行商人が、自転車漕いでやってきます。日本でも見慣れたアジやカマス、カニにエビにイカ、フィリピン人の大好きなミルクフィッシュなどなど。すっかり顔なじみになった魚屋さん、家の前に来ると「ダ〜イ(お嬢さ〜ん)」と家内を呼びます。童顔なのでこう呼ばれる家内ですが、間違いなく魚屋のおじさんより年上。



漁師から直接買い付けてそのまま売りにきているので、当然ながら切り身になってラップに包んで...という状態ではありません。獲れたてそのまんまの尾頭付。当初はさばくのにナマクラ包丁で悪戦苦闘。日本ではやったことないので、切るだけでなくウロコ取りや骨抜きがこんなに面倒だとは知りませんでした。包丁でウロコをこそぎ落とすと、流しの周りに飛び散って掃除もたいへん。

そこで先日、日本からのお客さんにお願いして出刃庖丁とウロコ取り器、骨抜きを持ってきてもらいました。本当は自分で手に取って選びたかったけれど、さすがにそこまではお願いできない。こういうときアマゾンのカスタマーレビューは役に立ちますね。

手荷物には絶対入れないようにしてもらい、ついに日本製の出刃庖丁が到着。実を言うと、自分で買うのも使うのも生まれて初めて。ましてやフィリピン人の家内は、間近に見たことがなかったと思います。箱を開けての第一声「怖わ〜」。特にセットになった刺し身包丁など、この刃渡りの長さは凶器になりそう。私も、最初は恐る恐る使い始めたものでした。


それにしても、切れる! 
日頃使い慣れてる人にとっては当たり前の話なんでしょうけど、初めて使うとその切れ味に驚きます。以前は魚の三枚下ろしというと大仕事で、一尾さばき終えると汗だくでしたが、新しい出刃庖丁だと拍子抜けするぐらいあっさり。変な力が入らないので、かえって怪我は少ないかも知れません。


あれから2ヶ月経って、だいぶ慣れてきました。最近我が家に来たメイドのアミーも、出刃庖丁を見るのが初めて。私がカマスをさばく様子を、子供のように息を詰めて凝視してます。そのアミーが食事の時に「サー、骨はどこにいったんですか?」と真面目な顔で尋ねたのには、大笑いしてしまいました。


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