2018年9月1日土曜日

キャリア・ディ


年に一度の学校行事、キャリア・ディ。初めて聞いた時は、一体何のこっちゃと思いました。「将来就きたい職業の日」とでも言うんでしょうか。それだけなら、日本の小学校でも、作文を書いたり、絵にしたりはよくある話。フィリピンの場合は、その職業を表現する格好をして来るんですよ。要するに、学校公認のコスプレ。

例えば、警官やキャビンアテンダントになりたいのなら、そのユニフォームを着て登校する。そんな服、一体どうやって用意するのか? 家族・親戚や友達に借りられるなら、借りるし、そうでないなら、何とわざわざ仕立屋さんに頼んで、作ってもらうんだそうです。

もちろん、高級テーラーではなく、公設市場の一角に店を出して、日頃は、安くにズボンの裾直しをしたりするお店。この時期、街の仕立屋さんは、書き入れ時になったりしてるらしい。

しかし、いくら安くても、一回しか使わない服にお金を掛けるなんて、もったいなさ過ぎるというあなた、それはフィリピン気質を理解できない、日本人の考え方。

いつもなら、Tシャツに短パン、安物のサンダルを無造作につっかけたり、下手すると、とっくに卒業した高校で使っていた、P.E.(Physical Education 体育)とでっかく印刷した服を着て、外食に出かける女の子までいる。

そんな、お世辞にも、お洒落には気を使ってる、とは言えない人でも、いざ、何かの催し物となったら、服装へのこだわり方が尋常ではない。こういう見栄の張り方は、子供の誕生日に、一ヶ月分の収入を注ぎ込んでしまうメンタリティと、通じるのかも知れません。

息子の通う、聖テレシタ学院では、昨日(8月31日)が、そのキャリア・ディ。自宅建設時に、現場監督をやってもらった父(息子の祖父)の姿が印象に残ったのか、息子が目指すのは建築家。衣装は簡単で、長ズボンに革靴、開襟シャツにヘルメットという出で立ち。最近は毎年これ。

従兄姉のアンドレとジャスミンは、船長さんにお医者さん。アンドレは、知り合いから、本物の制服を借りたそうです。


キャリア・ディ以外にも、タガログ語を母体とした、公用語(フィリピノ語)の制定を記念した国語週間には、職場や学校で民族衣装着用を奨励したり。こちらも気合いの入り方がすごい。




そう言えば、ネグロス最大のお祭り、マスカラ・フェスティバルなど、プロのダンサーが凝ったコスチュームに身をまとい、幹線道路を封鎖してリオのカーニバル張りのパレードなんてのも、多いですね。

そして、最初に学校公認のコスプレ、と書きましたが、やっぱり日本発のコスプレはフィリピンでも大受け。首都マニラでは恒例のコスプレ・マニアを始めとして、ネグロスでも、州都バコロドでコスプレ大会が開催。ショッピングモールで偶然、集団コスプレに出くわして、びっくりしたことがあります。

ということで今日は、非日常の衣装にかける、フィリピン人の情熱についての投稿でした。


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