2019年4月3日水曜日

選挙の季節


フィリピンに移住して、7年目に入ろうというこの時期、3年毎のフィリピン一斉国政選挙も、早や3回目になります。

日本では、衆参各議院の解散が不定期だったり、知事や市町村長などの選挙時期はバラバラ。しかも内閣総理大臣は、国民の直接投票で選出されないシステムなので、フィリピンのような、上から下まで毎回同じタイミングで、全部いっぺんに選挙なんてのはあり得ない。

こちらでは3年に一度、上院・下院議院、州知事・市長(副知事・副市長を含む)と、各地方議院、バランガイ・キャプテン(町内会の会長)までを、同日の投票で選出します。ただし大統領選は6年に1度なので、今回は「中間選挙」という位置付け。投票日は5月13日で、ここネグロス島でも、1ヶ月半前の先週末、選挙活動が解禁となりました。

ただしポスターの張り出しは規制がないようで、昨年末頃から「メリー・クリスマス」の文字が入ったものも。サイズや場所も決まりがなく、各候補、やりたい放題。

では何が解禁になったかというと、候補者を囲んでの集会や、選挙カーによる広報。正確には「集会」なんて穏やかなものではなく、鳴り物入りのお祭り騒ぎ。深夜まで花火上げたり、野外ディスコやカラオケ。バランガイ単位のフィエスタと何も変わらない。「怪気炎を上げる」とは、まさにこのこと。

シライ市での中間選挙の場合、特に盛り上がるのが市長選。やっぱり地元の生活にはっきり影響が出ますから。公共工事の指定業者とか、市長が変わると明らさまに総入れ替えになったりするし、市民サービスの質が思いっきり左右される。

現市長のマーク・ゴレツさんになってから、交通信号は壊れたまま放置だし、道路の舗装が傷んだ箇所も補修されなかったり。我が家のメイド、ライラおばさんによると、彼女の住むバランガイに、以前は毎週あった、無料の医師巡回がなくなったとか。

家内に聞いたら、市長室にはマークの両親の席が用意されて、実際には親が市の行政を好き勝手にやっている。40歳過ぎで独身だから、ゲイではないかとの噂も。まぁ、性的指向は政治手腕とは無関係なので、どうでもいいけれど、選挙で選ばれたわけではない人が市政に関与し、それを隠そうともしないのは、マズいですね。

そうなると、返り咲きを狙う前市長、「オティ」こと、ホセ・モンテリバーノさんが優勢かと思いきや、税金を選挙活動に使えるから、現市長が有利なんだそうです。それはアカんうやろ。ちなみに今回の「相場」は、1票につき1,500ペソらしい。前回が確か800ペソと言ってたので、倍近い値上がり。そこまでキャッシュをばら撒けば、集会にも人が集まりますわな。

ただ必ずしも買収が、選挙結果の決定打でもなくなっているようで、ライラはずいぶん前から、オティ支持を公言。今は、集会で配られたと思われる、オティの名前が入った、プラスティック製のブレスレットをしてます。

ということで、しばらくは全国的に騒がしいフィリピン。日本大使館には、選挙に伴う事件・事故に警戒して、人の多い場所には近づくなとのメールも来ました。近所で見かける騒ぎを見ていると、対立候補の支持者グループが鉢合わせしたら、流血の惨事になっても不思議ではない加熱ぶり。私も投票までの1ヶ月は、大人しくしようと思います。


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