2017年10月20日金曜日

そしてアラ還


「アラカン」と聞いた時、鞍馬天狗の映画俳優がなんで今頃出てくんの、と思ってしまいました。これが分かる人は、少なくとも私と同世代か、それ以上。知らない若者は「嵐寛寿郎」でググってみてください。

当然、最近言われるアラカンは、嵐寛寿郎さんの愛称ではなく、アラウンド還暦。つまり60歳前後。アラサー、アラフォー、アラフィフまでは分かります。60だとアラシクスか? 言いにくいなと思ったら、こんな言い方を考えた人がいるんですね。ちっとも知りませんでした。

かく言う私が、この10月の初めに55歳に到達。四捨五入したら60歳のアラ還になりました。それにしても、この無自覚ぶりはどうでしょう。私が子供の頃、本家本元のアラカンさんが、まだ存命だった時期には、60歳と言えばもう完全に老人。30代にもなれば堂々たる大人だし、40歳は文字通りの不惑。50を過ぎれば初老と言われたものです。

ところが、体力的にあまり衰えを感じないせいか、いまだに30代の後半か40そこそこのような気がしています。太るわけでもなく禿げるわけでもない。微妙に白髪が増えたのと、近くのものが見えにくくなったぐらいでしょうか。特に50歳でフィリピンに移住後、日本でのストレス満載の勤め人生活とおさらばしてからは、食事は旨いし、あれほど頑固だった不眠に悩まされることがなくなりました。

もちろん本当の30代に比べれば、あらゆる面で老化は進んでいるんでしょうけど、「ガクッ」という落ち方でもない。やはり昔に比べると平均寿命は延びてるし、個人差はあっても、全体的に老けるのが遅くなってきたのかも知れません。私の場合は、頭の中もガキのままという気もします。

さて、フィリピンでの60歳。中国系の住民でもなければ、干支や十二支なんて意識しないでしょうから「赤いちゃんちゃんこ」の還暦祝いはありません。しかし60歳はこの国でも、リタイアする人が多い。また10年毎の誕生日祝いは、特に盛大にする習慣もあって、こちらでも大掛かりなパーティをするのが一般的。

フィリピン人が60歳前後にもなれば、大抵の人がそれ相応の外見になるようです。ただし歳を取っても、家族や友達に囲まれて、孫が何人もいるのが当たり前のお国柄。孤独だったり、気難しい人は多くない印象。老人ばかりが集まる光景も、あまり見かけないですね。

だからと言って、フィリピンのお年寄りが、一概に日本より幸福だと考えるのも短絡的。相対的に医療費が高額なこともあり、平均寿命は2015年現在で69歳(!)。医療的なケアという点では、恵まれているとは言えません。そう言えば、お隣の私と同い年の旦那さんは、昨年心臓発作で亡くなりました。

ところで、私の還暦までは5年ありますが、この12月に、家内の元同僚の女性が60歳の誕生日を迎えます。ご主人は大学の教授で、日頃から海外旅行を楽しんだりする富裕層。当然60歳のお祝いも盛大にやるらしく、半年近くも前から、家内を含めた友人一同に告知がありました。

ということで、自分の時のための視察も兼ねて、隣島パナイへ家族で出かけることに。このブログでもその様子を報告したいと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿