フィリピンに住んでいると、どうしても逃げられないのが蝿。熱帯では、人間の何倍(何百倍?)もの数がいると思われる、このやっかいな昆虫。ここネグロス島では、特別不潔な場所でない普通の道を歩いていても、1匹や2匹は必ずまとわりついてきます。
ショッピングモール内の小綺麗なカフェやレストランでも、やっぱり防ぎきれません。日本だったら、ファミリーレストランで蝿が飛んでたり、料理にとまったりしたら、激怒した客が店主に土下座を要求するかも。
その点、フィリピンのお客さんは慣れていて、少々蝿が飛んでいても適当に手で払いのけながら、喫食を続ける。蝿に目くじら立ててる人は、見たことがありません。
このフィリピンの蝿たち。日本の蝿に比べるとおっとりしてるというか、どん臭いというか、蝿叩きで簡単に退治できてしまいます。聞くところによると、蝿と人間は、時間を感じる速度に5倍ぐらい違いがあるそうで、蝿から人間の動きを見ると、1/5の超スローモーションなんだとか。確かに日本ではそれぐらいの差を感じても、フィリピンの蝿は、せいぜい2倍ぐらいしか変わらないんじゃないか?
我が家は、窓にも扉にも網戸をつけているので、蝿はそんなに入ってきません。それでもたまに侵入してくると、いつも私は蝿叩きで応戦。これがものの数分もしないうちに、ことごとく叩き潰せます。さすがに、飛んでいる最中のを撃墜するのは難しいものの、どこかに止まったりしたら、運の尽き。スナップを効かせて「ばちこ〜ん」
どん臭いのは、蝿だけではないらしい。幸いにも我が家では、滅多に姿を見せないゴキブリ。こいつらも、日本の眷属に比べると動きが格段に遅い。こっちは蝿叩きで潰すと後始末がたいへんなので、もっぱらバイゴン(フィリピンで市販されている殺虫剤)が活躍します。
蚊にしても、あんまり俊敏とはいえないし、刺された直後の痒みは同じでも、数時間もすると後も残らない。たまに翌日痒みがぶり返すこともありますが、10回に1回ぐらいの感じ。(ただし熱帯の蚊は、デング熱とかマラリアを媒介するので、決して侮れません。)
これは私の推測ですが、虫も人間も、気候が良くて食べ物が手に入りやすい場所では、みんなおっとりした性格になるようです。厳しい冬がある地域と異なり、「今食べておかないと、食べられなくなる」「冬に備えないと、生き残れない」といった緊迫感がないからでしょう。
そう考えると、この世界。あらゆる場所が熱帯や亜熱帯だったら、人間同士が争うことが、ずっと少なかったかも知れません。もっともそうならば、科学や技術がそんなに発展せずに、せいぜい石器時代、日本ならば縄文時代ぐらいのレベルが、未来永劫続いていたのか。それはそれで、人間は幸せだったようにも思います。
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