前回の続きです。
犬と猫を飼い始めたけれど、人と動物の距離は、それなりに保ちたい。なので基本は外飼いで、部屋の中には入れないというルール。これは私も家内も同じ感覚だし、日本ではあり得ないような、裏庭だけで300平米という恵まれた環境もあり、数日前までは問題なく運用されてました。
ところが猫の出産によって、状況が一変。
この雌猫、元々が野良。天井裏に居ついてしまったネズミを追い出すため、時々我が家の庭に出没していたのを餌付けした個体。すでにもう1頭の雄猫が餌付けに成功していました。おそらく、そのパートナーだったのでしょう。
以前拾ってきて、たった数日で死んでしまった仔猫の名前がチャコ。その2代目と3代目なので、雄はチャコⅡ(ツー)、雌はチャコ美(3=み)と命名。しばらくして、警戒心の強いチャコⅡは、あまり寄り付かなくなりました。チャコ美は野良にしては、ずいぶんと人懐っこくて、いつの間にか朝と夜は、ほぼ毎日我が家で餌を食べに来るように。
野良猫のチャコ美。去勢手術など当然受けてないし、本能のままに妊娠。つい3ヶ月ほど前に我が家の庭で、4頭の仔猫を産みました。ところが、どうやら新米母猫だったようで、雨水が溜まる場所を巣に選んでしまい、2頭を数日で死なせてしまいました。そして、いつの間にか1頭になり、その生き残りも、最後に見た時はすっかり衰弱して動けない状態。結局4頭とも育たなかった模様。
そして性懲りもなくまた妊娠して、2頭の仔猫を産み落としたのが、5日前の日曜日。日本では衆議院選挙の投票があった日でした。
前回の子育て失敗で少しは学習したのか、今度は別の場所を巣にしようと、庭のあちこちを生まれたての仔猫を咥えて徘徊するチャコ美。どうするのか見ていたら、庭にある東屋のテーブルの上に放置。案の定、赤ちゃんは落っこちて、タイルの床でミーミー。
その次に仔猫を連れ込んだのは、何と私の愛車トヨタ・アバンザのエンジンルーム。ガレージから鳴き声がして、車体の下を覗き込んでも姿なし。ボンネットを開けると隅っこに猫家族。これではエンジンをかけたら、仔猫の蒸し焼きかミンチができてしまう。
何度仔猫を外に出しても、チャコ美は余程ここが気に入ったのか、すぐに元に戻す。これが真夏だったら、多分こんなに暑い場所は選ばなかったんでしょうけど、季節は雨季。朝から雨だと、仔猫の体温を奪うには十分なほど気温が下がります。何回かイタチごっこの末、とうとう根負けして家の中に引き取ること。
赤いプラスティックの洗面器に、家内の古着を敷いて仔猫を寝かせました。しばらくは不満げなチャコ美でしたが、夜には母子揃って「猫鍋」状態。安心して授乳開始。まるでチャコ美と仔猫たちのために誂えたかのように、ぴったりサイズ。
これで一安心と思ったのは早計で、翌日からはチャコ美の野生の血が覚醒。十分餌をやっているのに、食事中の家内の目の前で、お皿から煮魚を掻っ払い。ちょっと目を離すと、暗くて狭い場所を求めて、すぐに仔猫たちをお引っ越し。クローゼットから服を出そうとして「ビックリ」が、2回ありました。
そんなわけで、個室は開けっ放しが基本の我が家だったのに、ドアを閉めるのがディフォルトに。いくら雨季でも、蒸し暑くって仕方がない。家内は怒って「ケージに入れろ」と怒鳴り出す始末。まだ目も開かない仔猫に免じて、なんとか1ヶ月の期限付きということで、その場は収まりました。やれやれ。
その後フェイスブックに仔猫の写真をアップしたら、フィリピン人の友達からは、屋根裏にネズミが入って困ってるから、乳離れしたら1頭ちょうだいとオファー。それは結構な話なんですが、まずはちゃんと育ってくれるでしょうか。チャコ美よ、応援してるから、今度は死なせずに頑張ってくれよ。
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