2017年10月29日日曜日

アレルギー大国ニッポン


フェイスブックで知り合った、フィリピン在住の方や、かつてフィリピンに住んでおられた日本人のお友達。その複数の方が異口同音に、一時帰国すると鼻や喉の調子が悪くなるとか、国外にいた頃にはそんなにひどくなかった病状が、戻ってから悪化したとか。いわゆるアレルギーの症状が出るそうです。

実は私も中学生ぐらいまでは、花粉症持ち。当時は花粉症という言葉が一般的ではなく、アレルギー性の鼻炎とされ、原因も分かりませんでした。その後、潜在的な患者で自覚した人も含めて、花粉症患者がどっと増え、スギ花粉を始めとする発症のメカニズムが知られるようになり、花粉症は日本の国民病と言われるまでに。

私のアレルギー体質は、なぜか周囲が騒ぎ始めた頃には沈静化。それでも完治ではなかったようで、大掃除をして埃っぽい空気を吸ったり、黄砂の季節になったりすると、数日間の限定ながら、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの発作。そして最初に書いたお友達のように、フィリピンに移住してからは、パッタリと発症しなくなりました。

これが日本人特有のことかと思いきや、フィリピン人の家内は日本在住時だけ花粉症患者。それだけではなく、お世話になったカトリック教会のスリランカ人の神父さまや、ドイツから来日して同じ職場に在籍していたデザイナーなど、明らかに花粉症とは縁のなかった人も、国籍や生まれた場所と関係なく同じ症状。そして帰国すると治る。

春先のスギ花粉の時期とは関係ない発症もある。薄々感付いている人もおられるように、これはやっぱり日本の国土そのもの、空気なのか水なのか、何かの問題があるような気がします。排ガス規制なんてどこ吹く風で、ジプニーやトラックが黒煙を上げて走り回っているフィリピンの方が、アレルギー物質が蔓延しているような気がしますが、そういうことでもないらしい。

ただ、ネグロスだけは年に数回サトウキビ収穫後に、全島が薄っすらと煙に包まれるほどの焼畑をするせいか、少数ながら煙アレルギー患者は存在します。症状は花粉症にそっくり。原因は明確で、他の地域では見られないので、日本の花粉症と同じなわけではありません。

さて、日本のアレルギー患者。重篤な人は、全身の皮膚に発疹や痒みが出たり、ちょっとマスクをしたぐらいではどうにもならないほど、くしゃみや鼻水が出たりで、日常生活に重大な支障が。以前勤めていた会社の上司の息子さんは、それが主たる理由でカナダに移住したと言います。出国した途端に治って、一時帰国で空港ロビーに着いた途端にぶり返す。何だか書いていて、恐ろしくなってきた。

このブログでは、国外に移住した者の視点で、日本の社会的な要因での住み難さを再三取り上げてきました。でもそれは、日本人の意識が変われば改善できること。ところがアレルギー性疾病に関しては、こうすれば解決できるという手段さえよく分からない。困ったことです。


【追記】その後この投稿へのコメントで、都市部の若い在留邦人の中には、フィリピン渡航後にアレルギー症状が出た人が多いとの情報が寄せられました。やっぱり一筋縄ではいかない問題なんですね。


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