2017年12月28日木曜日
ビフォー・アフター、ネグロスでリノベ その3
前回、前々回に続き、ネグロスでのリノベーション業務の最終回です。
私が紹介した大工さんや電気屋さんによって始まった、ネグロス在住日本人宅のリノベ。クライアントさんのお話によると、以前仕事を依頼した電気屋がずいぶん酷かったらしい。本来ならば硬い樹脂製のパイプを使うべき、土中のケーブル敷設。これを天井裏などのに使う、ネズミ対策の柔らかいカバーで覆っただけで埋めたりしたそうです。
どうやら電気工事ライセンスのない、便利屋に毛の生えた程度の業者。心配になって配線を掘り返したら、やっぱり漏水して相当危険な状態でした。フィリピンで火災が多発するのは、おそらくこうした安かろう悪かろうの、雑な素人工事が原因だと思われます。
私はこちらの電気工事というと、今回紹介したサルディーの手になるものしか知らないので、それがフィリピンでも当たり前だと思ってました。ところがクライアントさん、まず工具が全部自前というだけで感心。ケーブルを樹脂バンドできちんとまとめるとか、必要な部材をリストアップして説明するとか、感心を通り越して感動の域にまで達したようです。つまり、それをできない人の方が、この国では多数派なんですね。
そんな感じで概ね工事は順調に推移。唯一つまずいたのがソーラーパネル給湯器。お湯のシャワーすら一般家庭ではそう多くないフィリピン。ましてやバスタブにお湯を張って入浴する習慣が皆無で、ホテル以外の施工数はかなり少ない。そういう事情で、普通の水道屋さんや電気屋さんではなく、給湯器を購入した建材店紹介のインストーラーに、クライアントが直接依頼。
運の悪いことに、このインストーラーが典型的な悪質業者でした。子供が病気だとかパーティだとか、果ては悪霊が取り付いたなどの言い訳で、仕事を滞らせる。それだけでなく、作業は進んでないのに、工賃の先払い要求。フィリピン人の大工さんでも呆れ返るほど。
私に比べるとずっと忍耐強いクライアントさんも、とうとう堪忍袋の緒が切れて、給湯器の購入元に直談判。責任逃れされると思いきや、意外にも誠実な対応で、無料で別のインストーラーを紹介してもらえました。やっぱり以前の業者は、札付きの評判の悪い男だったそうです。そんな奴を最初から紹介するなよ。
こういう経緯で、給湯器は無事設置完了。さっそくその日、久しぶりのお風呂ですと連絡が来ました。よかったよかった。ところが収まらないのは悪質インストーラー。奥さまの携帯に脅迫紛いのメールを送りつけてきました。突然ご夫婦でお昼時に我が家に来られたので、驚いて事情を聞くと、押しかけられると困るので、宅地の警備員にチップを渡してブロックを頼み、念のためしばらく避難してきたとのこと。
日本ではちょっと想像しにくいですが、こういう話はフィリピンでは時々聞きます。日本人が被害者になる殺人事件は、些細なことから逆恨みを買ってしまったことが原因の場合も少なくありません。後で聞くと、案の定やってきて宅地のゲートで警備員に止められていました。お一人ならまだしも、奥さまもおられるので、賢明な措置だったと思います。
ということで、来年(2018年)の1月中には完成見込みのリノベーション。状況が落ち着いたら、私たち家族も、お風呂を使わせていただこうと楽しみしております。
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